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アベノミクスで儲けるのは誰だ?

2013年05月05日 21時12分 JST | 更新 2013年05月20日 20時42分 JST

 

 日銀の黒田東彦総裁は4月4日の就任後初の金融政策決定会合で、事前のエコノミストの予測をはるかに上回る「異次元緩和」を打ち出し、日経平均は4年7カ月ぶりに1万3千円台を回復。円相場は今や1ドル99円台に突入した。

 一般の個人投資家の間にもアベノミクスに乗り遅れるなという空気が広がっている。産経ニュースは「アベノミクス効果で投資へ動く個人資産1500兆円 主婦層にも拡大」で以下のように伝える。

購入者が富裕層だけでなく、一般層にも浸透し、国内の投資信託の資産残高は平成20年秋のリーマン・ショック直前の水準を回復。1500兆円超の個人資産が投資にシフトする動きが鮮明になっている。

産経ニュース 2013.4.24 12:36)

 証券会社や投資顧問会社などが開くセミナーは活況を呈し、インターネット証券会社を通じた取引も空前の広がりを見せる。朝日新聞デジタルによると、

 松井証券の13年3月期の純利益は64億円で、前年同期の約1・5倍。12年4~12月期は30億円だったが、今年に入ってからの3カ月間でそれ以上を稼ぎ出した。委託を受けた株式の売買代金は、1~3月には昨年7~9月の4倍を超える7兆円に伸びた。カブドットコム証券も13年3月期の純利益が前年同期の1・4倍。従業員には5月に臨時ボーナスを出すという。

朝日新聞デジタル 「ネット証券、アベノミクス特需 取引が活発化、手数料収入増」より。 2013/4/25)

 マネー誌、経済誌も売れ行きが絶好調。産経ニュースはこう伝える。

 発行部数12万部と月刊マネー情報誌で最大の「ダイヤモンド・ザイ」(ダイヤモンド社)は「2013年の最強日本株番付」を特集した最新の3月号が売り切れる書店が続出している。「新内閣の発足が株式市場の転換点になり、年明けから雑誌の売り上げも伸びたが、予想を超えていた」とうれしい悲鳴。会社の業績予想などを掲載する季刊誌の「会社四季報」(東洋経済新報社)も、新春号の実売部数が前号比で5割増と絶好調だ。

産経ニュース 2013.2.11 00:19)

 異次元緩和によりお金をジャブジャブ供給するのだから、余った資金が株式市場に流れ込み、相場を押し上げるとみての投機的な動きも出てきて不思議ではない。また、株式を大量に保有してきた人たちの株価が上がり、結果として「大金持ちがさらに大金持ちになる」という流れも生まれている。共産党の機関紙である新聞あかはたも日経新聞電子版の記事を踏まえて以下のようにアピールする。

「日経新聞電子版」(4月15日付)は、この5カ月あまりの間に保有株式の時価総額が100億円以上増えた株主が38人にのぼると報じました。4月25日 には、日本共産党の大門実紀史議員が参議院予算委員会で独自の試算結果を示し、「マネーゲームによって大金持ちはさらに大金持ちになる」と告発しました。

しんぶん赤旗 2013/5/4)

 ゲンダイネットは、大門議員の資産結果をベースに「マネーゲームで誰が得をしているのか」をまとめている。それによると、

 25日の参院予算委員会で、質問に立った共産党の大門実紀史・参院議員が提示した資料には驚いた。アベノミクス相場で100億円以上も資産を増やした個人オーナー株主の一覧表を出したのである。委員会では個人名は伏せられていたが、誰もが知っている著名な経営者がズラリ。

ゲンダイネット 2013/4/26)

 そこには、株価の上昇により数千億円単位の含み益を手にしているオーナー経営者たちの名前が並ぶ。推計値ではあるが、株式投資からは縁遠い庶民からすると割り切れない思いも抱かざるをえないのも事実。経済を縮小させるデフレ脱却を目指すことは理解できても、今日以上の格差社会の到来を望んでいる人は少ないのではないか。