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国家公務員採用時のTOEFL義務付けの問題点とは

2013年05月05日 17時28分 JST | 更新 2013年05月07日 01時42分 JST

 

国家公務員の採用試験にTOEFLが導入される方針が固まったと朝日新聞が報じている。

成長戦略の一つとして海外で活躍できる人材を育てるため、まず官僚の英語力を高めるという。昇進にもTOEFLなどで一定の点数を求める案が出たが、現役官僚に「不安」と「抵抗」が広がり、見送ることになった。

朝日新聞デジタル「国家公務員採用にTOEFL 15年度にも導入へ」より。2013/5/5 5:35)

現在行われている国家公務員採用試験においては、一番難しいとされる国家公務員Ⅰ種の試験でも、英語については1次試験で基礎的な試験が行われるのみで、またその試験についても多肢選択式であり、論述式ではない。

今回ご導入のTOEFLは、海外大学の授業を英語で受けられる能力があるかを測ることを目的としており、リーディングだけでなく、リスニング、スピーキング、ライティングが組み合わされた試験方式になっている。自民党はすでに、大学入試にTOEFL義務化案を、安倍首相に提言している。

英語の資格には、TOEICなどもある。TOEICは、身近な内容からビジネスまで、幅広くどれだけ英語でコミュニケーションできるかということを測るというもので、楽天や武田薬品工業など多くの企業が、社内の採用試験や昇格試験として利用している。

TOEFLとTOEICでは試験内容が違うため、一方の試験では点数が高くても、もう一方では低くなることもある。田村耕太郎 元参議院議員は、Twitterで下記のようにつぶやいている。

また、今回の政府の方針について、ネットユーザーの間では、採用時だけではなく既存の公務員にも課すべきであるとか、試験を義務付けるより教員の能力が問題だとする声も出ている。

現在の中高英語教員の英語力は必ずしも高いとはいえない。文部科学省「英語教育改善実施状況調査(平成19年度)」によると、公立学校の英語担当教員のうち、英検準一級あるいはTOEIC730点以上等の人は、高校で50.6%、中学校だと26.6%しかいない。

山口浩氏のブログより。 2013/5/4)

なかには、漢字検定の主催機関の倒産を例を上げ、TOEFLを主催しているのがアメリカのNPOであることに疑問を抱く声もある。

政策立案を担う国家公務員総合職の応募が減少したとのニュース(時事通信 2013/04/19 17:31)もあり、TOEFL義務化で更に応募者が減るかもしれないという懸念もある。

また、海外からの視点としては、グローバル化を考えるのならば、TOEFLぐらいでは追いつかないというような指摘も出ている。