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米国銃規制の行方は

2013年05月05日 18時39分 JST | 更新 2013年05月06日 20時02分 JST
Flickr / Elvert Barnes

 

「1980年12月8日にジョン・レノンが射殺されてから、米国では105万7千人以上の人々が銃によって殺されている」

今年3月20日、オノ・ヨーコさんが自身のツイッターでジョン・レノンさんの血まみれの眼鏡を掲載して銃規制を訴え、大きな反響を呼んだ。

2012年12月、米コネティカット州ニュータウンの小学校で、10歳以下の児童20人を含む26人が殺害された銃乱射事件を受け、米国で銃規制を求める声が一層強まっていた最中だった。

しかし、米国では銃による悲劇が後を絶たない。

今年4月上旬には、ニュージャージー州で4歳の男児が6歳の友人を銃で撃ち死亡させる事件が、テネシー州では4歳の男児が女性を撃ち死亡させる事件が起きている。

また、ケンタッキー州でも4月下旬、ライフル銃で遊んでいた5歳男児が、誤って2歳の妹を撃って死なせる事件が起きた。共同通信は、AP通信が5月1日伝えた内容として次のように報じている。

 使われたのは「マイ・ファースト・ライフル」をキャッチフレーズに、子ども向けに売られているライフル銃で、男児にプレゼントされたもの。

当時、母親が在宅していたが、ライフル銃に実弾が入っていることに気付かなかったという。(共同通信 2013/05/02 13:28)

銃規制への道のりは遠い。オバマ大統領は、コネティカット州の銃乱射を受け、銃規制の強化を目指した。だが、米議会上院は4月17日、銃規制強化の法案を否決した。ロイター通信はこれまでの経緯とともに、オバマ氏が「ワシントンにとって恥ずべき日だ」というコメントを報じている。

 大統領(編集部注:オバマ大統領)は今年1月に新たな銃規制法案を発表。その後、民主党と共和党が法案修正で合意し、審議が行われていた。

インターネットや銃展示会などで銃を購入する際の身元調査を強化することを定めた法案は、反対票54、賛成票46で否決された。

法案否決を受け、オバマ大統領は「ワシントンにとって恥ずべき日だ」と落胆しながらも、銃規制への取り組みは「まだ終わっていない」と語った。(ロイター 2013/04/18 08:28)

法案否決に影響を及ぼしたとされるのが全米ライフル協会(NRA)だ。500万人近い会員を抱え、米政界に影響力を持つと言われる。5月3~5日、NRAが年次総会をテキサス州ヒューストンで開催した。朝日新聞デジタルによると、NRAはオバマ大統領の銃規制との対立を鮮明に打ち出したという。

「彼らは我々についてウソをつき、悪魔のように扱い、銃所持者をあらゆる悪名で呼んだ。しかし、あなたたちは立ち上がり、にらみつけ、勝った」

 3日午後、数千人の観衆の前でNRAのウェイン・ラピエール副会長が強調したのは、銃規制法案の成立を阻んだNRAの力だった。演説では、銃購入時の身元照会の義務化など銃規制強化策を打ち出すオバマ米大統領やブルームバーグ・ニューヨーク市長を名指しして「銃所持そのものに反対している」と主張。「我々は権利を守る姿勢から、絶対に後退しない」と訴えた。

 NRAは、豊富な資金力や、500万人近い会員の動員力を背景に強い政治力を持つ。特に、選挙で力を発揮するとされ、NRAが出す、銃所持への理解度を示すランキングを気にする政治家も多い。オバマ政権が進めた銃規制法案が4月に上院で否決されたのも、改選を控えた民主党議員らがその力をおそれ、造反したのが一因だ。

朝日新聞デジタル「オバマ政権との対立姿勢、鮮明に 全米ライフル協会総会」2013/05/04 23:02)

 米国の銃規制は強化されるのか。それとも、悲劇は繰り返されるのか。オバマ大統領の取り組みの行方が注目される。