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ゆるキャラは、コスト管理もユルい?

2013年05月05日 20時04分 JST | 更新 2013年05月07日 00時51分 JST

 

 くまモン、ふなっしー、ひこにゃん……。ゆるキャラ人気が続いている。愛らしい風情やユニークな「緩さ」が多くの人たちを引きつける。このゴールデンウィークも各地の観光地や繁華街で愛嬌を振りまいた。

 なかでもチャンピオンは、熊本県のくまモンだろう。外交の舞台にまで進出した。4月23日付の朝日新聞によると以下のようだ。

熊本県のゆるキャラ「くまモン」が外交舞台にデビューする。中国・北京で24日に予定される木寺(きてら)昌人・駐中国大使の着任レセプションに、奈良県の「せんとくん」とともに招待された。日中の要人が出席する場で、緊張が続く日中関係を「ゆるーく」するよう期待されている。

朝日新聞デジタル 「日中関係をゆるーく? くまモン、外交舞台デビュー」より。 2013/4/24 01:25)

 同記事によると、くまモンはこれまでも県のPRイベントで上海や香港などを何度も訪問。中国版ツイッター「微博(ウェイボー)」でファンが呼びかけると多くの人が集まるなど、「じわじわ人気を呼んでいる」(県国際課)という。外務省文化交流・海外広報課も「動くゆるキャラが外交に活躍した例は聞いたことがない」。この場には奈良県の「せんとくん」も招かれた。

 国内外をまたにかけ活躍を始めたゆるキャラたち。その経済的な波及効果にも関心が集まる。

 熊本県の発表によると、2012年のくまモン関連の商品の売り上げが293億円に達した。前年に比べると11倍以上に増えた。その経済効果は全体で1000億円との大手メデイアの報道もある。

 くまモンの場合、キャラクターの使用料を原則無料にしたことも成功の理由とされている。はじめは公的利用などに限定していたが、10年末に公序良俗に反しない限り、全国の民間業者に使用を許可するようにした。これで、全国にくまモングッズがあふれる、熊本の存在をPRできた。

 また、産経ニュースは、2012年10月にあった「ゆるキャラまつりin彦根」に以下のように伝えた。

全国各地から244体の「ゆるキャラ」の着ぐるみを滋賀県彦根市に集めた「ゆるキャラまつりin彦根」で、実行委員会は今回のまつりの経済波及効果が約4億8千万円と算出され、過去最高を記録したと発表した。5回目の開催となった今回のまつりは、昨年より約1万人多い8万8千人が来場。

産経ニュース 2012.10.26 10:18)

 もっとも、くまモンの成功やイベントのにぎわいとはうらはらに、現実はそう甘くはない。マイナビニュースは、厳しさを指摘する専門家の以下のような見方を紹介した。

「正直、全国のゆるキャラのうち成功しているのは、熊本県の”くまモン”や滋賀県彦根市の”ひこにゃん”、愛媛県今治市の”バリィさん”など一握り。忘れ去られていくキャラクターのほうが多かったりするのは事実です」

マイナビニュース 2013/03/07)

 人気を集めるゆるキャラは、地元経済にも一定の好影響を及ぼすことは間違いない。ただ、こうした経済効果と、維持管理などのトータルコストとの検証は、これまでのところ十分ではないとの指摘も少なくない。PHP総研 主任研究員 佐々木陽一氏によると、「ゆるキャラの世界は、栄枯盛衰が繰り返され、泡沫キャラも数知れない。今後、くまモン事業が安定的に継続されるには、コストとのバランスがより重要になる」からだ。

 ゆるキャラだからといって、管理が緩くていいわけはもちろんない。キャラクターの緩さや愛らしさの裏側で、冷静なコスト計算が求められている。

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