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次世代のアルファブロガーはどこ?【cakes加藤×ハフポスト松浦】

2013年05月09日 19時29分 JST | 更新 2013年06月08日 16時42分 JST
Chika Igaya

「cakes」CEO加藤貞顕さんと松浦茂樹ハフィントン・ポスト日本版編集長が徹底対談

 出版社でベストセラーを手がけた後、自らデジタルコンテンツ・プラットフォーム「cakes」を立ち上げた加藤貞顕さんとハフィントン・ポスト日本版の松浦茂樹編集長が、ハフポスト日本版オープン目前の4月30日に緊急対談。思想家の東浩紀さんがプロデュースする知的空間「ゲンロンカフェ」(東京・五反田)を舞台に、これからのメディアに求められる「編集力」とは何かを徹底的に話し合いました。その論点をまとめてご紹介します。今回の話題は、ハフポストのブログや「cakes」が求める書き手とは?

加藤さん(以下、加藤):ハフポストのブロガーは原稿料とかないんでしたっけ?

松浦編集長(以下、松浦):ないです。ブロガーのイケダハヤトさんが記事で「無償で70人すごい」とか書かれてますけど、そこをピンポイントに言われても困るなあという感じで。

加藤:ホリエモン(堀江貴文さん)がただで書くとか。

松浦:我々は意見をお預かりするプラットフォームという立ち位置。そこで、ライティングを全部ただにしてるという視点で見られると悲しくて。そうじゃなくて、ちゃんと次に繋がってるんだよって部分を含めて、見て欲しいところです。たとえば、堀江さんは宇宙の話を書いてくださっていて、そのPRをする場所として活用していただければと。日本版はまだちょっと弱いんですけど、アメリカ版並みに大きなトラフィックを獲得してくれば、そういう接触点が増えますよねって。そこが一番、ユーザーフロントエンドで無料域だからこそ広いところだと思うんですよ。

加藤:「cakes」でも、よく出版社の人たちに本を売るための場所として使ってもらうようなことをしてるんですよね。有料のウェブサイトなので、これにお金を払って読む人たちって、ものすごく本を買う人たちなんですよ。一番、先進的な例で言うと、西内啓さんの「統計学が最強の学問である」って本が今、ベストセラーなんですけど、あれは版元の編集者さんに協力してもらって、連載して本にしてます。

松浦:考え方としては一緒ですね。たとえば、著者を中心に、課金部分と無料部分が同心円みたいに広がってて、無料部分を我々が担当すればいいかなって思ってるんですよ。昔、ライブドアで4コマ漫画のサイトをやってまして、フリーで読み放題だったんですよ。それでランキングとかで高い人の漫画を出版社に出版してもらってったんですけど、結局その無料で読まれてるランキング通りの売れ方だったので、そういうやり方もありなんだなと。

加藤:僕はウェブは有料の部分も今後、すごい増えてくんだろうなとも思ってるんですけど、無料域でもプロの編集がたくさん入ってきたウェブのコンテンツが増えていく流れっていうのは必然の流れかなと思ってるんですけどね。特に有望だなと思うのが、最初の発表する場所。コンテンツを作る場所。昔から雑誌が最初に発表してコンテンツをつくる場所だった。しかも、それがマーケティングの場所でもあったわけだけど、それができなくなってるんで。たとえばエッセイストって新しいスターがほとんど生まれてないんですよ。

だから、「cakes」は意識的に若い女の人のエッセイとかをやってるんです。だって、いまだに「anan」の巻頭のエッセイを林真理子さんが書いてるんですよ。何十年も新しいスターが生まれてない。これは雑誌メディアの流れと非常に関係があると思うんです。だから、ウェブでそういう場所が増えるのは非常にいいことですよね。

松浦:そうですね。かたやウェブ側の問題点は、アルファブロガーが10年くらい前に生み出されてきたんですけど、そのあとが続いてるかというと、そうはなってない。なぜかと考察すると、その人たちは自分でプロデュースもできるし、編集できるし、全部できちゃう人で、ウェブは誰かを介して編集ってところをあまりやってこなかった。本当は色々おもしろい人がいるんだろうけど、そこをプロデュースなり編集するなりして生み出すのはやっぱり弱かったかなと。なので、今回はもちろん「BLOGOS」とか他で書かれてる方もいるんですけど、全然書かれてない方もちゃんと編集プロデュースしていきたいと思ってます。

加藤:実は、僕が作ってる本は、かなりブロガーの人が多いです。ブログでは一部では有名だけど一般の人は皆知らないからそこを繋げるやり方を考えようってやってる。その人たちがいまだにアルファブロガーなんですよね。他に出てきてないんですよ。そうか、それがウェブで新しく花咲く場所として、ハフポストが考えてるんですね。

そこは実は「cakes」も結構考えていて、そんなに有名じゃないけどウェブで面白い人っていうのは結構書き手として書いていただいていて、たとえば岡田育さんっていう女性。「とくダネ!」のコメンテーターやってるんですけど、彼女はウェブで「サブカル女子の女王」みたいな人なんだけど、すごいおもしろかったの。普通の人は知らない、ただめちゃくちゃ才能があるということでエッセイを書いていただいてて、そしたらやっぱり人気が出た。そういう場所は今後より一層必要です。

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