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橋下氏、自民の憲法改正案を「怖い」。国民投票のやり方にも相違点

2013年05月14日 01時26分 JST | 更新 2013年05月23日 22時25分 JST
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OSAKA, JAPAN - SEPTEMBER 12: (CHINA OUT, SOUTH KOREA OUT) The logo of newly set up Nippon Ishin no Kai or Japan Restoration Party, is displayed at a fundraising party in Osaka after announcing official launch of the new parliamentary group. (Photo by The Asahi Shimbun via Getty Images)

日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長が12日、自民党の改憲案を「危険」と批判したと各社が報じている。産経ニュースは下記のように、維新は、憲法観が自民とは違うことを参院選で問うとしている。

「公権力を前面に出しすぎており、怖い。僕らの世代以降には共感を得られないと感じる」と述べ、夏の参院選で憲法観の違いを訴える考えを示した。

産経ニュース 2013.5.12 20:59)

維新の会は、維新八策に憲法改正について下記のように挙げている。

憲法改正~決定できる統治機構の本格的再構築~

• 憲法改正発議要件(96 条)を 3 分の 2 から 2 分の 1 に

• 首相公選制(再掲)

• 首相公選制と親和性のある議院制=参議院の廃止も視野に入れた抜本的改革・衆議院の優位性の強化(再掲)

• 地方の条例制定権の自立(上書き権)(「基本法」の範囲内で条例制定)憲法94条の改正

• 憲法9条を変えるか否かの国民投票

(維新の会ホームページ「維新八策」(PDF)より)

改憲手続きを定めた96条の改正については、自民党案でも発議要件を衆参両院の3分の2以上から過半数に引き下げるとしており、この部分は維新の会と一致すると見られる。また、橋下氏は11日に行われた大阪維新の会の全体会で、統治機構の再構築にしっかり取り組みたいと話しているが、この点に関しても自民とは異なる意見であろう。

また、改憲案そのものの内容ではなく、憲法改正を行うにあたっての国民投票に対しても、自民党との違いがあるようだ。9日に行われた、大阪市長定例記者会見では、憲法9条については、憲法改正の議論の前に、国民投票を利用して国民の声を聞くべきだということも発言している。

「憲法9条については、2年間ぐらい間を入れて、国民投票をやるべきだ。憲法改正の国民投票の前に。

それは、憲法9条というのは、大議論のテーマになるわけですから、単純に選挙が終わって、改正案の発議をして、国民投票で一発で決着を付けるというのは、僕はちょっとプロセスとしては、極めて幼稚だと思う。」

(2013年5月9日大阪市長定例記者会見より。)

現在の国民投票は憲法改正に関するものしか存在せず、その他の議論に関して利用できるものがない。それらの法整備も、必要とも述べている。

「終戦直後、あの憲法が国民から総スカンを食らっていたのかと言ったら、そうでもない状況もあるわけですし、戦争が終わったあとに、もう戦争はコリゴリだというのは、国民としては当然だと思いますよ。


だけれども僕は、制定過程には問題有りだと思っているし、当時の1945年から1947年の状況と、 2013年の状況というのは全然違うので、しかも9条自体の言葉としてもおかしいです。そもそも自衛権まで否定していた9条だったわけですから、そういうところまで、内閣法制局のアクロバティックな解釈にすべて委ねるんではなくて、しっかり筋を通した形にしたら良いのではないでしょうか。


やっぱり戦争はね、やっちゃいかん。絶対ダメだし。止めないといけないけれども。国家としては安全保障をどう考えるのかは整理は必要だと思います。しかしそれはすぐにはできないから、時間もかかるだろうし、そうやって国民とコンセンサスを取っていくやり方は、新聞がワーワーワーワー社説書いたり、記事を書いたりしたって、それは国民のコンセサスになっているかどうかの確認はしないから、自分たちの意見が絶対的に正しいと思ってやっていますけれども、あれも一回国民投票にかけてみると良いんですよ。僕はね、15%ぐらいだと思います。


そういうのをやってみたら、ああこれはちょっと難しいな、修正しないといけないのかな、修正したら40まで増えたな、こういうやり方を取って憲法というものはコンセンサスを取って行かないと、憲法改正というものは、政治家の思いだけで出来ない、国民投票をやらなくてはいけないんでね、僕は国民とのキャッチボールは国民投票しか無いと思います。そういう意味で、9条については予備的な国民投票をやらないといけないと思っています。」

(2013年5月9日大阪市長定例記者会見より。)

「与党にならないと法律の改正もできないですからね。自民党は、予備的な国民投票という意識はないのではないでしょうか。それをこれから自民党のみなさんにも話をしますし。産経新聞は「維新は国民投票にまるなげするな」と言いますが、実行プロセスについての認識が甘いというか、案さえ出せば通ると思っているというか。そこが今までの浅い憲法論議だと思うんですが。


本当に改正していこうと思ったら、国民とのキャッチボールをどうやるか。これは、絶対国民投票を使わざるを得ない。国民投票法の改正など、憲法改正以外の国民投票ができるようにしなくてはいけないと思う。憲法を改正するには国民投票が必要で、どうやって国民投票で支持を得るのか、その戦略が全く自民党にはない。そこで国民の皆さんの支持を得ようと思ったら、キャッチボールをせざるを得ない。もちろん国民の皆さんの言うことだけに従うというわけではないけれども、国民の皆さんが理解してくれないんだったら説明をしなくてはいけないし、そこをどうやって救っていくかということ、それは世論調査などではなくて、国民投票だと思いますけれどもね。」

(2013年5月9日大阪市長定例記者会見より。)

朝日新聞デジタルでは、橋下氏の語った言葉として、次のように報じている。

自民党は政治家の立場で憲法を論じるが、僕自身は自分が今の立場を辞めた後、市民になった時に公権力はどうあるべきかという視点から考えたい。

朝日新聞デジタル 『「自民党の憲法観、危険だと思う」維新・橋下氏』より。 2013/05/12 19:40)

いつの間にか憲法改正がされていたという状況にならないよう、憲法改正のやり方についても注目している必要がある。