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「現代人の知能は19世紀と比べて低下している」研究結果

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我々の技術はますます高度になりつつあるかもしれないが、人間の知能は低下傾向にある、とする新しい研究が発表された。

4月13日付けの『Intelligence』誌に論文が掲載されたこの研究では、ヴィクトリア女王時代(1837年から1901年)と比べて、欧米人の一般知能(general intelligence)は平均で14ポイント減少していることが示されている。

アムステルダム大学の労働・組織心理学教授であるヤン・テ・ナイゲンハウス博士と同僚の研究者たちは、1884年から2004年までの間に行われた、知能に関する14件の研究の結果を分析した。その中には、進化論で有名なチャールズ・ダーウィンの従兄弟にあたる英国の人類学者、フランシス・ゴルトンの研究も含まれている。

これらの研究では、被験者が刺激を見たことに反応してボタンを押すまでの時間を測定している。こうした(視覚)反応時間はその人の精神的な処理速度を反映しており、全体的な知能と相関関係があると見なされている。

研究によると、19世紀後半の視覚反応時間の平均は約194ミリ秒だった。2004年にはこの時間が275ミリ秒に増えている。19世紀後半に反応時間を測定した装置は、近年利用されているものほど高度ではないとはいえ、これらの古いデータを現代のデータと直接比較することは可能だと、テ・ナイゲンハウス博士はハフィントン・ポストに語ってくれた。

19世紀後半に実験心理学研究室で、反応時間を測定するために利用されていたクロノスコープ。マティアス・ヒップが開発したもので、短い時間間隔を千分の1秒の精度で測定できる。

1940年以降に知能指数(IQ)の上昇が見られるとする研究もある。「フリン効果」と呼ばれる現象だ。だがテ・ナイゲンハウス博士は、フリン効果には教育、衛生状態、栄養摂取の向上といった環境要因の影響が反映されているため、欧米世界において遺伝子的に引き継がれてきた知能が実際には低下していることが隠されている可能性があると述べている。

知能が低下しているとして、それはなぜなのだろうか。テ・ナイゲンハウス博士は、知能の高い女性が産む子供の数が、知能の低い女性が産む子供の数よりも少ない傾向にあるという点を指摘している。IQと出産率の間の反比例的な関係は、20世紀に行われた複数の研究で繰り返し示されてきたものだ。

スタンフォード大学の病理学および発生生物学教授のジェラルド・クラブトリー博士は、ハフィントン・ポストへの電子メールで、「人間の知能の低下があるとすれば、それは遺伝子選択がそれまでよりも緩やかになった時代に始まったものだろう」と指摘した。「このことが起きたのは、我々の祖先が、より多くの支援があり、密度の高い社会(都会)に住み始め、安定した食糧の供給を受けられるようになった頃ではないかと思う。これらはいずれも5,000~1万2,000年ほど前に農業が考案されたことの結果と言えるかもしれない」

[Macrina Cooper-White 日本語版:平井眞弓/ガリレオ]

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