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橋下氏は日本外国特派員協会での記者会見で何を言いたかったのか

2013年05月27日 18時13分 JST | 更新 2013年06月25日 15時56分 JST

日本維新の会の橋下徹共同代表(大阪市長)は、27日、日本外国特派員協会で記者会見を行った。会見では、橋下氏が26日に発表した「私の認識と見解」を読み上げるとともに、記者団からの質問に回答した。

この会見で、橋下氏が述べたかったと思われることは下記の4つである。

1.在日米国に対する風俗営業の進言の撤回と謝罪

2.従軍慰安婦問題に関するメディア報道と橋下氏の考えの誤解

3.従軍慰安婦問題に関しての不合理な議論を終わらせなくてはいけないということ

4.世界でこれから議論すべき「軍と性」の問題

■1.在日米国に対する風俗営業の進言の撤回と謝罪

橋下氏は13日退庁時のぶらさがり会見で、軍の規律を維持するために、在日米軍に風俗を活用してはどうかと進言したことを述べていた。

このときの発言については、「アメリカ軍内部において性暴力が多発し、その統制がとれていないことが最近、アメリカで話題になっている」ことが背景にあったと説明し、しかし、風俗の活用については、「アメリカ軍のみならずアメリカ国民を侮辱することにも繋がる不適切な表現でしたので、この表現は撤回するとともにお詫び申し上げます。」と述べ、自身の発言を撤回した上で謝罪した。

■2.従軍慰安婦問題に関するメディア報道と橋下氏の考えの誤解

橋下氏は、「私の認識と見解」のなかで従軍慰安婦の問題にも言及し、「かつて、日本兵が女性の人権を蹂躙したことについては痛切に反省し、慰安婦の方々には謝罪しなければなりません。」と自説を述べた。

橋下氏の慰安婦問題に関する一連の発言に対しては、世界からバッシングがされていた。しかし、これらの報道に対して橋下氏は、あたかも橋下氏自身が『「戦時においては」「世界各国の軍が」女性を必要としていた』との考えを容認していると誤解されて報道されていると反論。メディアが橋下氏の一部の発言だけを切り取って報道したことに対して、「私の真意と正反対の意味を持った発言とする報道が世界中を駆け巡ったことは、極めて遺憾」と述べた。

■3.従軍慰安婦問題に関しての不合理な議論を終わらせなくてはいけないということ

橋下氏自身は、従軍慰安婦問題については「旧日本兵の慰安婦問題を相対化しようとか、ましてや正当化しようという意図は毛頭ありません。」と考えており、質疑応答でも「これまでの慰安婦に関する議論は日本の責任を否定するようなそういう議論が多かった。我々は責任は回避できません。」「不合理な議論については終止符を打つべき。日本が責任を回避するような議論は決してやってはいけません。」などと述べた。

しかし、日本が国家の意志として、組織的に女性を拉致したということを裏付ける証拠はなく、この事実については認めていないというのが日本の立場だと説明。従軍慰安婦に対する日本の責任を否定するわけではなく、事実はどうであったかという議論をすべきとした。

河野談話についても、当時河野談話を作成した官僚の1人である石原信夫官房副長官が「国家の意思による人身売買はなかった」と述べていることに言及し、2007年の政府の閣議決定によって、強制連行を裏付ける直接の証拠もないという政府の正式な見解も出ていると発言。韓国では日本国家によるものだったと考えており、日本では民間業者によるものだったと考えている人が多いという認識のズレを、「河野談話は主語が明確になっていないから」という点から指摘した。この「河野談話における主語」の解明については、日韓共同で歴史学者による事実確認が必要とも述べた。

■4.世界でこれから議論すべき「軍と性」の問題

橋下氏は、日本だけではなく、紛争地における女性の人権が蹂躙され続けているとにも言及。「私の認識と見解」では「未来に向けて、女性の人権を尊重する世界をめざしていきたい。しかし、未来を語るには、過去そして現在を直視しなければなりません。日本を含む世界各国は、過去の戦地において自国兵士が行った女性に対する人権蹂躙行為を直視し、世界の諸国と諸国民が共に手を携え、二度と同じ過ちを繰り返さぬよう決意するとともに、今日の世界各地の紛争地域において危機に瀕する女性の尊厳を守るために取り組み、未来に向けて女性の人権が尊重される世界を作っていくべきだと考えます。」と述べた。

質疑応答でも、現在タブー視されている「戦場と性」の問題を、日本だけでなく世界で議論する必要があるのではないかと指摘し、最後に下記のような言葉で回答を締めくくった。

「日本の責任は否定しません。しかし、いま世界各国で、戦場における女性の性、その当時に助成を利用していたことについての議論がされているでしょうか。今のこのような状態だと、日本のような方式は悪いけれども、民間業者の女性を利用することは問題ないという論調につながりかねません。


日本の方式も悪いです。しかし、民間業者の女性の利用もダメだと思います。民間業者の施設でも人身売買は行われています。


ですから、日本の反省とともに、世界各国の軍においても、過去を直視してもらいたいんです。21世紀、未来に向けて、女性の人権をしっかり守っていくために。戦場において、民間業者の女性を利用することをやめていこうということも、世界の決意が必要だと思います。」

(日本外国人特派員協会での橋下徹氏の記者会見より 2013/5/27)

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