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日本より中国をターゲットとする米国映画業界

2013年05月31日 14時10分 JST | 更新 2013年05月31日 14時12分 JST
AFP時事

米国ハリウッドのアクション大作香港「アイアンマン3」が中国で公開され、初日の興行成績が1億3000万人民元(約21億円)と過去最高を記録した。CNNの記事によると、「アイアンマン3」は中国向けに作品を再編集しており、中国版で付け加えられた4分間の映像には、スポンサーである中国メーカーの乳飲料と、中国の著名俳優が演じる2人の人物、ドクター・ウーとその助手が登場するという。

「アイアンマン」シリーズの製作会社であるディズニーとマーベル・スタジオは、北京に拠点を置くDMGエンターテインメントと共同製作の形をとっている。DMGエンターテインメントは中国国内の配給も合同で請け負っており、中国で撮影もしている。いまや中国は、日本を抜いて世界第2位の映画マーケットだ。中国向けにわざわざ特別シーンを加えるあたり、映画業界がこの市場に寄せる期待の大きさがうかがい知れるというものだ。

ウォールストリートジャーナルの記事によると、中国の映画市場の伸びの大部分は、国内の映画産業に支えられており、2011年の上位10位のうち4つは国内で制作された映画。ハリウッド俳優クリスチャン・ベール主演の日中戦争下の南京を舞台とする『ザ・フラワーズ・オブ・ウォー』(原題:金陵十三釵)は公開1カ月で同年最高の7000万ドル超をたたき出した。

一方、これまで2位だった日本の2011年の国内映画の興行収入はスタジオジブリの『コクリコ坂から』が最高で、5500万ドル。2000年以降初めて、国内映画の興行収入が6000万ドルを下回った。

ただ、中国は言わずと知れた検閲制度や規則の国だ。CNNの記事によれば、昨年公開された「レッド・ドーン」は中国軍による侵攻の場面を北朝鮮軍によるものに差し替え、「メン・イン・ブラック3」はチャイナタウンでの銃撃戦の場面を丸々カットしたという。米国の映画情報サイト「ボックスオフィスグル・ドット・コム」の編集者を務めるギテシュ・パンジャ氏は、CNNの取材に対し,「『アイアンマン3』はプロパガンダぎりぎり」だとしながらも、「映画制作会社はどこも中国の成長市場に打って出ようと必死になっている。中間層の人口だけでもアメリカの人口より多いんだから」と語っている。