国家安全保障局(NSA)がFacebookやGoogleのメール、チャット情報を監視か

米国の国家安全保障局(NSA)が、Google、YouTube、Microsoft、Apple、Facebook、Skypeをはじめとする各社のサーバーに直接アクセスし、メール、写真、動画、文書、接続ログなど、誰とやり取りしたかを分析することができるデータを取得していると報じている…

政府はあなたの情報を全て取得している。しかも、あなたの知らない所で。

それも、あなたがよく使っているネットサービス企業と結託して。

このような状態が、まさに今、アメリカで起こっているようだ。

ワシントン・ポストは、米国の国家安全保障局(NSA)が、Google、YouTube、Microsoft、Apple、Facebook、Skypeなどの各社のサーバーに直接アクセスし、メール、写真、動画、文書、接続ログなど、誰とやり取りしたかを分析することができるデータを取得していると報じている。

なお、事の発端になったのは、イギリスの新聞・ガーディアンが報じた「外国情報監視裁判所」の機密文書をである。この文書には、アメリカの大手通信会社のベライゾンに対し、NSAは盗聴の許可が与えられるとするものだった。テロ対策のための「愛国者法」が根拠となり、ベライゾンはNSAに対し、発信元や相手の電話番号、発信時間など提出するように命じられた。

ガーディアンは更にべライゾンだけでなく、冒頭の米国巨大ネット企業らとNSAの結託に関する秘密文書に関する記事を掲載。その文書によるとこのNSAのデータ監視は「PRISM(プリズム)」というコードネームで呼ばれており、2007年、ジョージ・ブッシュの極秘プログラムとして生まれたとのことだ。レポートの中には、各企業がどの時期に参加したかを表すデータなどを掲載している。

Microsoft (2007年9月)

Yahoo … 2008年3月

Google … 2009年1月

Facebook … 2009年6月

PalTalk … 2009年12月

YouTube … 2010年9月

Skype … 2011年2月

AOL … 2011年3月

Apple … 2012年10月

このレポートで、べライゾンの通話記録よりもはるかに範囲が広いデータがNSAに提供されていることがわかり、NSAはやりすぎではないかという議論がアメリカで起こっている。

ニューヨーク・タイムスは、オバマ政権で確実に参加する企業を増やしたと報道。ハフィントン・ポスト米国版は、これを皮肉って、トップページに「GEORGE W. OBAMA」という写真をトップページに掲載した。

ハフィントン・ポスト米国版に投稿されたユーザーの声は7日13時40分現在6600件以上に登り、下記のようなものが見られる。

MrBenGhaziさん

なんで、PRISMはボストン・マラソン爆破事件を防げなかったんだ?

テロ対策が理由ではないのではないのか

TheOverlord さん

メディア=協力。

協力=権力とUSAのコントロール。

もしメディア自身が脅威を感じたら、メディアがオバマを食べちゃうことになるだろう。

Katchalaterさん

グーグルは既に、すべてをデータマイニングしている。食料品店もデータマイニングしているし、銀行もすべてをトラッキングしている。秘密なんてもう何もないよ。

アメリカ政府は、PRISMの存在を認めたとウォール・ストリート・ジャーナルは報じている。

米オバマ政権は6日、「PRISM」と呼ばれるこれまで公表されていなかった国家安全保障局(NSA)のプログラムが存在することを認めた。ある政権幹部は、このプログラムは外国人にのみ照準を合わせており、国内の監視関連法で承認されている、と述べた。

(ウォール・ストリート・ジャーナル「米政権、NSAの監視プログラムの存在認める」より。 )

しかし、このプロジェクトに参加していると言われている各社は、事実を否定していると報じられいてる。

Microsoft

「もし政府が(特定ではない)広範囲に渡るデータを要求してきても、許可しない。」

(ガーディアン「PRISM scandal: tech giants flatly deny allowing NSA direct access to servers」より。2013/6/6 19:48EDT)

Google

「Googleは政府がユーザーの個人データをアクセスするための裏口を持っていない」

(TechCrunch「米国家安全保障局、Google、Apple、Microsoft、Facebook等のサーバーから直接データを収集(ワシントンポスト報道)」より。2013年6月7日)

Apple

「聞いたことない」

(ウォール・ストリート・ジャーナル「アップル「聞いたことない」―米政府の監視プログラム」より。 2013/6/7 10:18)

Yahoo

「サーバーやネットワークに直接アクセスさせるなど無い。」

(ガーディアン「PRISM scandal: tech giants flatly deny allowing NSA direct access to servers」より。2013/6/6 19:48EDT)

Facebook

「われわれは、いかなる政府組織に対してもFacebookサーバーへの直接アクセスを提供しない。」

(TechCrunch「米国家安全保障局、Google、Apple、Microsoft、Facebook等のサーバーから直接データを収集(ワシントンポスト報道)」より。2013年6月7日)

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