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ネイマールのバルセロナへの移籍から見る、日本の報道に足りない姿勢

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「僕の気持ちはずっとバルサと共にあった」と語るネイマール【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】 | Kazhito Yamada / Kaz Photography

“ネイマールフィーバー”に沸くバルセロナに学べ! 日本の報道に足りないストーブリーグを盛り上げる姿勢

ネイマールの移籍金は5700万ユーロ

「僕の気持ちはずっとバルサと共にあった。お金で動くことはない」

 晴れてバルセロナの一員となったネイマールは3日の入団会見でこう語った。カンプ・ノウでのプレゼンテーションには5万6500人もの観衆が集まり、その期待と注目度の高さが伺えた。個人的に印象に残ったのが、ネイマールの横に座ったバルトメウ副会長が移籍金や移籍の経緯について詳細な説明を行ったこと。

「ネイマールの獲得交渉は2年前の2011年からスタートしていた」と明かした同副会長は、「移籍オペレーションは、5700万ユーロ」と正確な金額を明かした。獲得クラブが移籍金を発表することは珍しいが、ネイマールの移籍についてはバルセロナのフロントの迅速な働きによって実現したことから暗にその点を強調するためのリリースであろう。

 そもそも、サンドロ・ロセイ会長はナイキ社勤務時代に南米支店の幹部を務めていた関係でブラジルサッカー界との強固なパイプを築き上げ、それを活かして副会長を務めたラポルタ体制時代にロナウジーニョやデコといったビッグネームの移籍交渉をまとめ上げてきた。

 今回のネイマール獲得に向けてもロセイ会長は会長就任当初から水面下で移籍交渉を進めており、すでに昨年のタイミングで1000万ユーロの手付金を支払っていた。

 しかし、バルトメウ副会長はレアル・マドリーや他の欧州ビッグクラブからの巨額のオファーによって「当初4000万ユーロと見積もっていた移籍金が、最終的には5700万ユーロまでつり上がった」ことについてもコメントした。

 その上で、「(レアルの)フロレンティーノ会長は、オペレーションが1億5000万ユーロと話していたが、それは彼のみが知ること」と発言し、最後の最後で札束攻勢をかけた彼らのやり方を皮肉った。

ネイマールフィーバーに見る、シーズンの切り替えの早さ

 移籍金の額を明かしたバルセロナは、続けて「今回の移籍オペレーションにおけるコミッションはない。代理人や仲介人への支払いもないし、それが我々のやり方だ」と説明した。

 選手の保有権(パス)が認められる南米では、クラブ間の移籍金とは別に保有権を握る代理人や会社に巨額のコミッションを支払うのが主流であるが、今回のネイマールの移籍に関しては表に出てこない巨額のマネーが一切ないことも強調していた。そのため、5700万ユーロの移籍金は、前所属のサントスとネイマールの保有権を持つ3つの会社が分配することになる。

 ネイマールの入団発表は数日前からスペインの主要メディアが大々的に報道し、334名もの報道関係者が取材申請を行ったという。また、バルセロナもユーチューブの公式チャンネルでカンプ・ノウに登場するネイマールのお披露目式をライブ中継し、ツイッターで会見の発言を実況した。

 こうした“ネイマールフィーバー”を見るにつけ、欧州におけるシーズンの切り替えの早さとストーブリーグを盛り上げる上手さを感じざる。シーズン終盤はバルセロナとレアル・マドリーの二強がチャンピオンズリーグ準決勝でドイツ勢に完敗したことから、CLショックが漂う悲観的な雰囲気だったが、もはや二強の周囲には来季に向けた期待感ばかりが漂う。

 モウリーニョがチェルシーに去ったレアル・マドリーも連日アンチェロッティやハインケスといった後任監督候補の名前が挙がりながら、トッテナムのガレス・ベイルやリバプールのスアレスといった補強候補のビッグネームが話題を独占している。

 ただ、二強とそれ以外のクラブの格差が年々広がるリーガにおいては、今夏のストーブリーグは話題性のある補強よりも主力選手の国外流出の方が目立つ傾向にある。すでにアトレティコ・マドリーのファルカオのモナコ移籍、セビージャのヘスス・ナバスのマンチェスター・シティへの移籍が決定しており、マラガのイスコ、バレンシアのソルダードといったリーガの看板選手でありスペイン代表クラスの国外移籍も今後現実味を帯びてきそう。

欧州のストーブリーグが盛り上がる理由とは?

 欧州のストーブリーグが盛り上がる一番の要因は巨額のマネー(移籍金)が動くからに他ならないが、Jリーグにおいても移籍金が生じるような移籍についてはそれが例え低い金額であっても積極的に発表、報道していくべきでないかと考える。

 もちろん、Jリーグの移籍市場、ストーブリーグが盛り上がらない理由として我々メディア側の取材不足や盛り上げようとする報道姿勢の欠如があることも否めないが、シーズン終了後もサッカーの話題を継続的に流し、世間に次のシーズンやJリーグへの期待をもたせるためにもサッカー関係者は知恵を絞る必要があると感じる。

 また、金額と同時にキーポイントとなるのが移籍オペレーションに関わった関係者の実名を記載して報じること。「関係者によると…」といった曖昧な記事ではなく、代理人やフロントの人間の実名を出した報道姿勢とそれを許容する関係者のオープンマインドが求められる。

 J1が中断する6月は当然ながらコンフェデ杯を中心に代表関連のニュースがサッカー紙面を独占することになるが、7月19日にオープンする夏のウインドーに向けてテコ入れをはかるJクラブの動向や欧州からのビッグネームの補強の噂など国内リーグを盛り上げるための報道や工夫をもっと見たい。

【原稿提供:サッカーを読む! Jマガ】

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