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川崎重工業、長谷川聰社長解任クーデーターで株価が上昇した理由

2013年06月13日 23時02分 JST

川崎重工業は13日、三井造船との経営統合交渉を打ち切ったと発表、交渉を推進してきた長谷川聰社長ら3人を解任した。後任の社長には村山滋常務が昇格した。

川崎重工は国内造船・重機の2位。5位の三井造船と経営統合交渉を進めていた理由を、ロイターは下記のように報じている。

川崎重工は、三井造船子会社の三井海洋開発<6269.T>などが持つ洋上の石油・ガス精製技術が今後のエネルギー開発戦略に欠かせないとみていた。一方、韓国・中国勢の増産で船舶は供給過剰状態にあり、造船への依存度が高い三井造船との統合効果を疑問視する見方も根強かった。

(ロイター「川重が三井造船との統合交渉を白紙、社長解任」より。 2013/06/13 22:46)

長谷川氏らが解任となった原因は、経営方針をめぐる取締役の間での対立のようだ。13日に東京都内で記者会見した村山新社長は、長谷川氏らが多数の取締役の意向に反し、統合交渉を進めたことを話している。時事通信は次のように報じている。

長谷川氏らについて「経営統合ありきで、強い不信感を持った」と非難。世界的な不況に直面する造船事業のてこ入れなどが急務とはいえ、経営陣の合意を得ないまま統合へ動いたことを批判した。

(時事通信「川崎重工、社長を解任=三井造船との統合交渉白紙-路線対立、総会前に異例の決定」より。 2013/06/13 23:15)

クーデターが起こった臨時取締役会について、産経ニュースでは「会長が指揮した?」という中見出しで次のように報じている。

 “クーデター”はこの日午後3時から開かれた臨時取締役会で起きた。長谷川氏解任の緊急動議が出され、残る10人の取締役全員が賛成。長谷川氏らは「交渉の定義について考え方が違った」などと釈明したが、解任が決まった後は「淡々としていた」(村山氏)。取締役会は35分ほどで終了。シナリオは統合反対派の大橋忠晴会長らが書いたとされる。

(産経ニュース「川崎重工解任劇 三井造船茫然、水泡に帰した統合交渉 「統合にメリットなし」とクーデター」より。2013.6.14 00:36)

なお、この一連のニュースを受けて、株式市場では、川崎重工業(7012)の買い先行ではじまった。ロイターではこの状況について下記のように報じている。

「競争力の低下した造船事業をさらに抱え込むことへの不安があった。統合白紙は川重にとってプラス材料」(国内証券)という。

(ロイター「川重株が買い先行、三井造船との統合交渉を白紙」2013/06/14 09:30)

川崎重工経営を多角化しており、造船事業は10%程度しかない。航空宇宙事業にも力を入れており、5月23日には、イプシロンロケットの試験用部品を出荷したと発表している。