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子宮頸がんワクチン推奨中止で、保護者にとまどい広がる「うつ?うたない?」

2013年06月17日 23時50分 JST

接種後に痛みやしびれを訴える人が相次いでいる子宮頸(けい)がんワクチンについて、厚生労働省が接種の推奨の中止を決めたことで、対象となる年ごろの娘を持つ親たちの間にとまどいが広がっている。

子宮頸がんはヒトパピローマウイルス(HPV)感染が主な原因で、性交渉などで感染する。20~30代の罹患率が高く、国内では年間約1万人が発症し、約3000人が亡くなっている。ワクチンは世界各国で使われ、世界保健機関(WHO)も接種を推奨している。罹患が増える年齢より前に接種するのが効果的とされており、小学6年生から高校1年生が接種の対象になっている。国内では4月から、この子宮頸がんワクチンと乳幼児の細菌性髄膜炎の原因になるインフルエンザ菌b型(ヒブ)、小児用肺炎球菌ワクチンの3つのワクチンが新たに定期接種に加わった。

ただ、定期接種化が求められていた一方で、副作用の報告もあがっていた。これまでに推定328万人が接種し、副作用は2000件近く報告されている。

接種した人の50%以上が、接種部位の痛みや腫れ、疲労感などが発生している。ワクチン接種後に重い副反応が出たとして、3月には全国の被害者の母親らが「全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会」を立ち上げ、「安易な摂取の推進をやめよ」と呼びかけていた。問題になっている原因不明の痛みが出る「複合性局所疼痛(とうつう)症候群」は、ワクチンが承認される際の臨床試験(治験)では報告されていない。このため、薬剤の影響か、針を刺すという行為の影響かも不明のままである。

こうした事態をふまえ、先週末に開かれた厚労省検討会は、「痛み、しびれの原因を調査し、きちんと情報提供できるようになるまで、推奨を控えるべきだ」と結論づけた。対象者は希望すればこれまで通り無料で受けられる。被害者連絡会事務局長の池田利恵・日野市議は、今回の決定を「立ち止まったことは評価できる」とするが、国の推奨がなくなったことで、接種者が大幅に減る可能性がある。

朝日新聞デジタルの「子宮頸がんワクチン、判断丸投げ? 推奨中止に戸惑い」という記事では、国の中止判断にとまどう自治体の動きも紹介している。ある関東の自治体の担当者は「推奨しないのは、接種をするなというのに等しい。判断を丸投げしただけだ」と話す。また、文京区のクリニックの院長は「国が疑問に感じているものを、受けようと思わないだろう」と話している。

厚労省は半年程度で、痛みの原因、頻度などを調べた上で、推奨を再開するか判断する予定だという。それまでは、個々の判断にゆだねられるが、年ごろの娘を持つ保護者にとっては悩ましいところだ。