児童ポルノ禁止法改正案に8党首の賛否くっきり ネット党首討論会

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ニコニコ動画で放送された「ネット党首討論会」 | niconico
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6月28日に、8政党の代表者が集まったニコニコ動画の「ネット党首討論会」で、児童ポルノ禁止法案の改正案について賛否がくっきり分かれた。

児童ポルノ禁止法の改正案は、5月29日に自民党、公明党、日本維新の会の3党が衆院に共同提出した。ネット上では『表現の規制に繋がるのではないか』との議論が噴出している。写真やデジタル画像など児童ポルノの所持を禁止する『単純所持の禁止』。それに漫画やアニメ、CGなどと性犯罪などとの関連性を調査研究するよう政府に求め、施行から3年後に必要な措置をとることが盛り込まれているからだ。

この改正案について、この日の討論会では、自民党総裁の安倍首相と公明党の山口代表という法案を提出した2党は賛成。それ以外の6党は全て反対に回った。法案を共同提出した日本維新の会の橋下徹・共同代表(大阪市長)は、市の委員会に出席するとの理由で欠席した。

自民党を代表した安倍首相は、漫画・アニメ規制については「表現の自由との関係で慎重にする」との姿勢を示したが、単純所持規制については「国際的な規制の流れでそうなっている」と頑なだった。公明党も「表現の自由等については一定の配慮、慎重に行わなければなりません」と言うに止まり、単純所持規制には言及しなかった。

他の6党は「子どもたちの虐待に当たる児童ポルノを根絶することには賛成」との姿勢を示したものの、「定義が極めて曖昧で問題がある」(社民党・福島党首)、「表現の自由を阻害する」(生活の党・小沢代表)、「クールジャパンを推進しないといけないので、クリエイターが萎縮してしまう」(民主党・海江田代表)、「同人誌など性的な部分を含んだパロディが成立しなくなる」(みどりの風・谷岡代表)などの意見が出た。以下は、各党の代表者の発言だ。

<賛成派の2党>

■自由民主党・安倍晋三総裁

「児童ポルノ禁止法は飽くまでも子供たちをポルノ産業から守るための法律であって、それが全てといってもいいと思います。もちろん、表現の自由は守っていかなければならないものであります。まずはこうして、子供達をしっかり守っていくということが大切ではないか、それが私たちの役割、責任なんだろうと、こう思っています。アニメやCG等々についてはですね、『表現の自由との関係で慎重にする』ということになっています。

一方、これは単純所持については、禁じるということなんですが、これは罰則とは別に話になりまして、禁じないと商業的に販売をしているものについては、これはダメだったのですが、それだけではなくて、国際的な規制の流れにおいては、単純所持においても子どもたちをポルノ産業から守ることをきっちり進めていこうという流れになっていることも、忘れてはならないのだろうなと、こう思っています」

■公明党・山口那津男代表

「子どもの人格や人権を損なうという弊害があまりにも大きいということであります。これは改正は必要であると思います。現代においては、こうした児童ポルノが国際的に流通をすると、情報が伝わるという時代の中で、国際社会から厳しい批判にされされているのもまた、事実であります。

表現の自由等については一定の配慮、慎重に行わなければなりませんけれども、そうした実害の大きさ。ここに目をつぶる訳にはいかないと、私は思います。

この改正案はきちんと審議をした上で、この規範を社会に示していくという取り組みが重要だと思います。この点で営業活動の自由などと混同してはならない面もあると私は思います。そうした点での子供の人権、人格をいかに尊重し守るかという視点は極めて重要だと思います」

<反対派の6党>

■社会民主党・福島瑞穂党首

「児童ポルノは非常に問題で、確かに被害を受けたり、子供のときにそういう写真を撮られたことが、その人の心をすごく傷つけることなど大変問題です。子どもを食い物にしては絶対になりません。

しかし、この改正案には社民党は反対です。というのは、たとえば単純所持を処罰するということに、もしなれば、これは『麻薬とは思わなかった』『これは拳銃とは思わなかった』というのは言い訳になりませんが、児童ポルノの定義が曖昧なために、自分の持っているものが児童ポルノとは思わなかったということもあるわけです。

捜索で『持っている可能性がある』ということで入れば、どこにだって入ることも可能かもしれません。またCGやいろいろな物にすると、今までの児童ポルノ禁止法は、対象者が何歳かどうかってのでやっていたんですが、児童ポルノは(服が)はだけているとか、定義が極めて曖昧で、それが例えばアニメだと、それが本当に該当するかどうかの表現の自由との関係で問題があると思っております」

■生活の党・小沢一郎代表 

「自民・公明・維新の三党の提出した案につきましては、私ども反対でございます。これは児童ポルノということを理由にして、さらにいろんな形で、いろんな分野で政府、官僚の規制を広範囲に強化していこうということに繋がる恐れがあると思います。

したがって、これは一つの理由は、表現の自由を阻害する可能性が大きいということ、それからまた、漫画やアニメなど日本発のこういったものは広く世界的に評価されておりますけれど、このことを損なう怖れもある、とまあこういうことから私どもとしては3党の案には反対します」

■みんなの党・渡辺喜美代表

「児童ポルノの被害者は子どもたちでありますから、子どもたちの人権をどうやって守るかは、さらに検討しなければいけないと思います。今回の法律は問題点が3つあります。

第一は漫画やアニメが規制されようとしていること。本来の趣旨とは外れて規制されたら、これはかないません。漫画家や出版社の自主規制によって、漫画・アニメの文化が廃れる恐れもあります。また憲法21条に抵触する可能性も出てまいります。

第二番目。単純所持が禁止されていますが、検察・警察による恣意的な捜査を可能にしてはいけません。また、意図しない所持による逮捕という問題があります。第三には検索エンジン会社による運用が難しい、と。幅広くブロッキングせざるを得ない状況であります。こういった問題があります」

■民主党・海江田万里代表

「子どもを性的な虐待ですとか、性的搾取から守らなければいけないという考え方は、もちろんその通りだろうと思います。しかし今度出てきましたこの法案は、やはり問題が沢山あります。ですから、最低限でも私どもは修正をすべきだという考え方であります。特に『単純所持』というのは過去の何年にもわたって、それと知らずに持っていたということが罪になるというわけですから、それに対する安全装置はやはりしっかりつけなければいけないと思っています。

それから今お話になりました、漫画ですとかアニメですとか、これは実は漫画アニメそのものにはやっぱりこれ、被害を受ける、性的虐待を受ける子どもそのものがいないわけですから、これはやっぱりちょっと考えなければいけない。それからこの、アニメや漫画というのはまさに、クールジャパンで、これから日本がどんどん伸ばしていかなければいけないわけです。そこに若い漫画家達、若いアニメの作画家達が非常にやっぱり萎縮をしてしまうということになりますから、絶対、修正は必要です」

■日本共産党・志位和夫委員長

「児童ポルノは子どもに対する最悪の虐待行為であって、大人の責任で根絶しなければならないのは、これは当然だと思います。

ただ、その方法は、今、インターネット上に流布されている児童ポルノは、そのほとんどが現行法で取り締まることは可能です。一方、児童ポルノ法で単純所持を一律に規制したり、アニメや漫画などの創作物も規制対象にするということになりますと、これは実は児童ポルノ問題の解決に役に立たないばかりか、表現の自由あるいは、人権の侵害、これにも繋がってきますので、私達は反対です」

■みどりの風・谷岡郁子代表

「私が民主党時代に作りました民主党案には賛成ですが、今回出されている法案には全く反対です。志位さんがおっしゃったように、現行法で取り締まれる部分、これは陣容でありましたり、あるいは予算をつけることによって、足りない部分を補えばほとんどカバーできます。

そして問題なのは、日本のクールジャパン、これの原動力になっているサブカルチャーというものを破壊してしまう可能性があるということです。たとえば、コミケの問題を考えてみましょう。コミケというのは本当に多くの人々を動員している。そして、プロではない、これから漫画家を目指すような人たちがいっぱいやっている。それはコピーをする、コピる、そして、パロディで、パロる、こういうところから始まる。

そのパロディの中には、言ってみればある意味で性的な部分を含んだりするようなギャグというものはあります。こういうものが廃れてしまうと、日本のサブカルチャーというものは成り立たないんです。ですから、この非存在青少年を含めたような対象というのは、全くあり得ない話だと思っています」

【※】各党の代表者の話、あなたはどの党にもっとも共感を覚えましたか?コメント欄にご意見をお寄せください。

【関連記事】
各党代表者への「ユーザー指名質問」 ネット党首討論会(2013年6月28日)全文書き起こし (4/4)

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