96条改正は「目くらまし」か? 自民・維新の憲法改正案に読者から異論

ハフィントンポストの読者に「憲法96条改正に賛成か?反対か?」と、コメントを募ったところ、2日間で60件を超えるコメントが集まった。特に目についたのは、内政や外交に関わる具体的な憲法の条文を改正するのではなく、「改正手続き」を変更することへの違和感を表明する声だった。
At Diet, Emperor Hirohito delivering his vow that they will uphold the new Japanese constitution as best they can. (Photo by John Florea//Time Life Pictures/Getty Images)
At Diet, Emperor Hirohito delivering his vow that they will uphold the new Japanese constitution as best they can. (Photo by John Florea//Time Life Pictures/Getty Images)
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日本国憲法の改正手続きを定めた第96条を改正するべきか否か。衆参両議院の総数の3分の2以上の賛成がないと、国民投票にかけることすらできないという条文が問題だとして、6月29日の幹事長討論会で自民党と日本維新の会は、改正に向けて連携していく考えを示した。

一方で、民主党、みんなの党などの野党はもちろん、連立与党の一員である公明党も改正に慎重な意見だった。6月30日付けの記事で、各党の姿勢を報じた際に、ハフィントンポストの読者に「憲法96条改正に賛成か?反対か?」と、コメントを募ったところ、2日間で60件を超えるコメントが集まった。

■96条改正は「姑息な手段」との意見も

特に目についたのは、内政や外交に関わる具体的な憲法の条文を改正するのではなく、「改正手続き」を変更することへの違和感を表明する声だ。「姑息な手段なので反対」「目くらましをするのではなくて、憲法の性格と内容について直接的な議論をしてもらいたい」と訴える声が相次いだ。

普通、何かを変えたいと言うときは、何のために変えるのかをはっきり言うものですが、自民+維新の96条先行改正案は、「変えやすくするために変える」と言っているだけで、何のためにどこを変えるのかは伏せておく姑息な手段であることは、みんなわかってるのではないでしょうか。おそらく、自民案のあの稚拙な憲法に変えたいと思っているのでしょうが、それならば96条という一見ニュートラルなもので目くらましをするのではなくて、憲法の性格と内容について直接的な議論をしてもらいたいと思います。

katsudon2013年06月30日 22時38分

憲法のどこを改正するかの議論の前に、96条を改正するという筋立てがそもそもおかしいと思います。おそらく、自民党は自衛隊を国防軍にしたいのだろうし、維新は中央政府を解体して分権国家にしたいのだろうと思います。(略)このような議論がおこるならばいいのですが、そういった議論の前に96条の改正だけが議論されるのはやはりおかしいと思います。

maizumi 2013年07月01日 02時01分

なぜ96条を先に改憲するのか理解できない。仮に9条が問題があるというなら、9条を直接改憲すべきだ。だが9条を改憲した場合、日本が軍事国家にまっしぐらになるのは言うまでもない。自民党は、自民党にとって都合の悪い条文を自在に改憲しやすいようにまず96条を修正したいのかと思える。

k-taro012013年06月30日 16時28分

■改憲してもいいけど96条は維持すべき

このほか「憲法改正はすべきだが96条改正には反対」とする人も多かった。そもそも、96条を改正するためには「両議院の3分の2」の賛成が必要なのだから、その条件が出来ているのなら、先に他の条文を改正できるからだ。主な意見は以下の通り。

改憲はすべきと思っていますが、96条の改正には反対です。5分の1程度ならば別ですが、3分の1以上の「少数意見」は尊重すべきです。そもそも、96条を改正できるほど支持されているのであれば、他の項目も可能なのでは。安易に改正のハードルを下げることは賛成できません。

Magoril

2013年06月30日 15時15分

憲法改正議論と96条を改正する話は、完全に分けて議論すべき。憲法改正は必要と思うが、96条については、断じて改めるべきではない。

Rukahi2013年06月30日 22時48分

■憲法改正「日本の基準は厳しすぎる」との意見

もちろん、96条改正に賛成の声もあった。「両議院の3分の2」という基準が厳しすぎるという声の他、96条でも9条でもまずは憲法改正の手続きに入るべきだという主張があった。

96条から入ろうが9条だろうが、国民が直に意思表示ができる場面がきたほうがいい。それすらも危ないと言うのはそれこそ衆愚思想だ。

yaratomotake2013年06月30日 12時31分

国民投票を改憲のプロセスに設置してる国で両院のうちどちらかの1/3の勢力が反対したら改憲の発議さえできない という国はない。今の日本の基準は厳しすぎる、事実日本で与党が両院を通じて2/3の議席を占めたことはない。

kgwdgk 2013年06月30日 13時55分

このほか「憲法96条を改正するのであれば国民投票のハードルを今より上げるべきだ」「改正手続きを規定した条文を改正するということが、論理的に成り立つのか?」などの声も出ていた。

【※】憲法改正の論議でも、特に注目を集める96条の改正の是非について、このような意見が集まっています。このことについて、どのように感じましたか。改めてコメント欄にご意見をお寄せください。

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