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「ダンスの動画」で名誉殺人:姉妹と母親が死亡

2013年07月04日 01時21分 JST

パキスタン北部のギルギットに住んでいたノア・バスラさん(15歳)とノア・シェーザさん(16歳)は6月30日(現地時間)、自宅に押し入ってきた5人の覆面を付けた男たちの銃撃を受けて死亡した。2人の母親であるノシェーラさんも巻き添えとなった。

パキスタンの新聞『DAWN』紙の記事によると、警察は、少女たちの義理の兄弟であるキュートーレが、少女たちが映った動画を「自分の家族の名誉を汚すもの」ととらえ、2人を殺すことで「家族の名誉を取り戻そうと」したと考えている。

キュートーレの所在は不明だが、4人の友人は殺人を認めたと、警察幹部は『DAWN』紙に話している。

問題の動画は、サルワール・カミーズと呼ばれる伝統的なシャツとパンツのスーツを着て頭にスカーフをかぶった姉妹が、雨の中でカメラに向かって笑いながらダンスしているところを映したもので、6カ月前に撮影され、携帯電話を通じて回覧された。2人が住むパキスタンの保守的な町では怒りの声が上がっていたようだ。

「テレグラフ」紙の昨年の記事によると、NPO「パキスタン人権委員会」は、家族に恥をかかせたという理由で殺害されたと見られる女性は、2011年に943人に上ったとしている。この数字は、2010年と比べて100人以上増えている。

例えば、昨年11月には、パキスタン人の夫婦が15歳の娘の殺害を認めた。その理由は、娘が「少年を見た」からだという。

父親はBBCに対し、娘の行為が家族の恥辱となることを恐れて酸をかけたと話した

父親の説明は次のようなものだ。「少年がバイクに乗ってやって来た。娘(アヌーシャ)は2回振り返って少年を見た。私は、それは悪いことだからやめるように言った」

母親はその後について次のように述べている。「娘は、『わざとしたんじゃない、二度と見ない』と言ったが、そのときにはすでに酸をかけていた。このような形で死ぬのも、あの子の運命だ」

[国際連合人権高等弁務官事務所の2010年の調査によると、名誉の殺人によって殺害される被害者は世界中で年間5000人にのぼるとされる。イスラム文化圏各地で起こっているが、特にパキスタンの部族地域で多いという]

[Sara C Nelson(English) 日本語版:平井眞弓/ガリレオ]