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ゲームセンターの時間課金制に賛否、ビジネスは成り立つのか

2013年07月05日 17時16分 JST | 更新 2013年09月22日 17時16分 JST

バンダイナムコホールディングスが、ゲームセンター事業での料金制度を改革し、時間課金制の導入などを検討していることが話題になっている。

時間課金制とは、利用時間に拘らず料金が一定の課金制度とは違い、時間あたりで課金される制度のことだ。バンダイナムコグループは、5月9日に行われた株主総会での質疑応答で、アミューズメント施設 アミューズメント施設事業のグループにおける役割について質問を受けた際も、「今後は消費税増税も視野に、テーマパーク事業など新規事業の拡大や、時間課金型施設の導入などにより収益の底上げをはかるほか、構造改革により収益基盤強化をはかります。」と回答している。

産経新聞はバンダイナムコホールディングスの石川祝男社長へインタビューした内容として下記のように報じている。

消費増税について、石川社長は「一番影響が出るのはゲームセンター事業だ」と指摘。「たとえば1時間500円程度の時間課金制を導入するほか、イベント開催やグッズ販売を絡めながら全体の底上げをする」と述べた。1回100円のゲーム機利用料の引き上げには、慎重な姿勢を示した。

(産経ニュース「ゲーセンに時間課金制 バンダイナムコ 消費増税で検討」より。 2013.7.5 09:07)

時間課金型のアミューズメントゲームとしては、選択した時間の許す限り何曲でもプレイできる音楽ゲームや、購入した時間分は対戦ができるネットワークゲームなどが既に導入されている。ネットワークゲームではインターネットに接続する「時間」や、センターサーバに接続する時間も発生するため、時間課金のほうがビジネスモデル的に安定するという見方もある。

このニュースについてインターネットユーザーの間でも、賛否が出ている。賛成とする声には、「初心者には優しい」「古いゲームを遊びたい」などとする声が上がる。

一方、時間課金に反対する声には、「プレイ時間が増えるほど損するなら、ゲームを上達させるためのモチベーションが上がらない。」「設定時間にまで課金をして欲しくない」

また、時間課金の弊害を分析するネットユーザーもいる。

時間課金制にすることに対しての提案を述べる人もいる。

アミューズメント産業全体の市場規模は、2007年をピークに減少している。「平成23年度アミューズメント産業界の実態調査」によると、2011年のアミューズメント産業全体の市場規模は、2兆391億円で、そのうち、ゲームセンターなどアミューズメント施設の売上を示す「オペレーション売上高」は、4874億円で、2010年度比では98.3%となった。

オペレーション売上高のなかでは、クレーンゲームの売上が1,638億円と一番大きいが、2010年度と比較して伸びているのは、カード・チップ類を使用するテレビゲーム(556億円)や、音楽ゲーム(117億円)であった。

一般社団法人 全日本アミューズメント施設営業者協会連合会の発行する資料には、カード・チップ類を使用するテレビゲームについては、「家庭用やソーシャルネットワーク向けゲームとの差別化を図るため、カード、チップ類を活用したり、体感型の機能を盛り込むことがこのジャンルの主流であることは変わらない。ユーザーの心を掴むゲームシステムの出現が期待される」と分析がされている。

スマートフォンなどで手軽にオンラインゲームで遊べる時代になった。震災以降、アミューズメント業界は社内努力で節電や電気料金の値上げなどに対応しているという。消費税増税で100円ゲームを内税で維持するのは、業界にとっては厳しい状況でもあろう。

日本のゲームセンターを描くドキュメンタリー映画『100 Yen: The Japanese Arcade Experience』の監督、ブラッド・クローフォード氏は、日本のゲームセンターが、北米のアーケードゲームと違いクリーンであることについて、かつて日本でも「不良が通う場所」というイメージを脱却した企業努力があると、WIREDで語っている。

(クロフォード監督)「日本と北米は似たような段階を経たのだが、日本はそこで文化を衰退させまいとしたのだと思う。ネガティブなイメージを変えようと努力したのだ。タイトーやセガといった会社が、別の層を取り込むやり方を積極的に探った」。つまり、北米のゲームセンターに悪いイメージがあるのは、そこから抜け出す機会をつかまなかったからだというのだ。

(WIRED「日本のゲームセンターを描くドキュメンタリー『100円』」より。 2012.4.20)

また、ゲームセンターがシニア層をもターゲットにしていると報じる記事もある。

シニア初心者向けの体験教室を開催したり、シニア向けに「コーヒー無料サービス」「限定スタンプカード発行」など、あの手この手のサービスでシニア層の取り込みをはかっている。

(産経ニュース「ゲーセンに集うシニア世代、ゲーム各社が開拓するシニア・マーケット戦略」)

「ほかの人たちと一緒に楽しむ社交的なゲーム体験」ができるゲームセンターは、これからどのような方向に進むのか。企業側には是非、懐にやさしい新ビジネスに期待したい。

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