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ニホンウナギ 絶滅危惧種指定の危機 IUCNが本格的検討へ

2013年07月05日 21時44分 JST | 更新 2013年07月07日 23時11分 JST
Getty
Live eels lay in a container at a restaurant in Tokyo, Japan, on Thursday, July 19, 2012. The U.S. government is considering regulating the international trade of some eel species under the Washington Convention next year. The movement could push up eel prices in Japan. Photographer: Haruyoshi Yamaguchi/Bloomberg via Getty Images


ニホンウナギが絶滅危惧種に指定されるかどうかの瀬戸際に立たされている。国際自然保護連合(IUCN)は、減少が著しいニホンウナギなどを、国際的な絶滅危惧種としてレッドリストに載せるかどうかを検討する専門家会合を1日から5日までロンドン市内で開催した。共同通信が伝えた。

IUCNでは世界各国に19の種と亜種がいるウナギの仲間すべてに検討し、評価の原案をまとめたが、「評価が確定するまで公表しない」として、議論の内容を含め明らかにしなかった。

NHKによると、ニホンウナギが協議の対象になるのは今回が初めて。今後、ニホンウナギがIUCNのレッドリストに「絶滅危惧種」として掲載されても法的な拘束力はないが、絶滅のおそれがある野生動植物の国際取引を規制するワシントン条約で規制の対象にするかどうか決めるための重要な参考資料になる。

国内に出回るウナギの大半はこの種類で、親ウナギや、養殖に使う稚魚の多くをニホンウナギの輸入で賄っており、さらなる品薄や価格の高騰が避けられなくなると朝日新聞は伝えている。

NHKによると、全国のウナギの輸入業者でつくる日本鰻輸入組合の調べで、国内に輸入されるウナギの量は平成13年には13万トンを超えていたが、年々、減少傾向が続き、去年は1万9千トン余りまで落ち込んだ。

レッドリストに載せるかどうかの結論は、数カ月後になる見通し。

■用語

ニホンウナギ

日本で食用にされているウナギで、硬骨魚綱ウナギ目ウナギ科ウナギ属。日本、台湾、中国、韓国など東アジア全体に広く分布する。ウナギ属としては他に、オオウナギ、アメリカウナギ、ヨーロッパウナギなど亜種を含めて19種が、世界の温帯から熱帯域に存在する。

これまで、ウナギ類の産卵場所、産卵時期は正確に特定されておらず、古代ギリシャのアリストテレスが著書「動物誌」の中で「ウナギは泥の中から自然発生する」と書いて以来、2000年にわたる謎とされてきた。

2009年、新月の2日前である5月22日に、東京大学海洋研究所と水産総合研究センターの調査船団は、西マリアナ海嶺(かいれい)南端部の海山域で、直径平均1.6ミリメートルのウナギ卵 31粒を採集。天然ウナギの卵が採取されたのは世界初。この発見は、近年激減しているウナギ資源の保全管理や、養殖用稚魚の大量生産技術の開発につながると期待されている。

国際自然保護連合(IUCN)

自然保護・天然資源保全のための国際機関。1948年設立。本部はスイスのグラン。政府機関と NGO により構成。国際連合環境計画・世界自然保護基金と密接な関係を持つ。「レッドデータブック」を発行。

レッドリスト

絶滅するおそれのある野生生物の種の一覧。生物学的観点から絶滅の危険度を評価し、すでに絶滅したと考えられる種や絶滅の危機にある種を「絶滅」「野生絶滅」「絶滅危惧」「準絶滅危惧」などのカテゴリーに分類して記載している。また、レッドリストに掲載された種について、生態・分布・生息状況などの詳細な情報を掲載したレッドデータブックも作成される。

IUCN(国際自然保護連合)が作成する世界規模のレッドリスト(正式名称は「IUCN絶滅のおそれのある生物種のレッドリスト:IUCN Red List of Threatened Species」)をもとに、世界各国・地域で独自のリストが作成・公表されている。日本では環境省や各都道府県および日本哺乳類学会などの学術団体がそれぞれ独自のレッドリストを作成している。

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