シリア世界遺産「クラック・デ・シュバリエ」空爆で破壊される

ユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界遺産で、シリア西部にある十字軍の城「クラック・デ・シュバリエ」が、シリア軍に空爆され、一部が破壊されたもようだ。12日撮影とされる映像がインターネット上に出回っている。13日までにインターネットの動画投稿サイトに掲載された映像では、山上のとりでが空爆を受け火柱が上がった直後、建物の一部が砕け煙とともに飛び散る様子が映っている。また映像には、爆撃したのはアサド政権の戦闘機だと叫ぶ撮影者の声も入っており、城は反政府勢力に使われていたものと見られる。

ユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界遺産で、シリア西部にある十字軍の城「クラック・デ・シュバリエ」が、シリア軍に空爆され、一部が破壊されたもようだ。12日撮影とされる映像がインターネット上に出回っている。時事通信が伝えた。

13日までにYouTubeに掲載された映像では、山上のとりでが空爆を受け火柱が上がった直後、建物の一部が砕け煙とともに飛び散る様子が映っている。また映像には、爆撃したのはアサド政権の戦闘機だと叫ぶ撮影者の声も入っており、城は反政府勢力に使われていたものと見られるとNHKは伝えている。

■シリアの世界遺産すべてが「危機遺産」に

共同通信によると、国立アレッポ博物館のユーセフ・カンジョ館長(人類学)が13日、奈良県橿原市の県立橿原考古学研究所で講演し、同国の世界遺産である古都アレッポなどの文化遺産について「爆撃による破壊や紛争に乗じた盗掘などが繰り返されている」と惨状を訴えた。

また、時事通信によると、6月20日にカンボジアのプノンペンで開かれた国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会で、内戦が続くシリアにある古都ダマスカス、古代都市ボスラ、古都アレッポなど6カ所の世界遺産をすべて「危機遺産」に登録している。

■ 用語

シリア北西部にある十字軍時代の城塞。クラック・デ・シュバリエとはフランス語で「騎士の城」という意味。11世紀の創建で、12世紀に聖ヨハネ騎士団の所有となった際、大規模な増改築が行われた。2006年、カル‐エッサラー‐エル‐ディン(サラディン城)とともに「クラック‐デ‐シュバリエとカル‐エッサラー‐エル‐ディン」として世界遺産(文化遺産)に登録された。シュバリエ城。(コトバンク「クラック・デ・シュバリエ」より)

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