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2013年07月16日 19時40分 JST | 更新 2013年09月15日 18時12分 JST

原子力規制委が安全審査の初回会合 プラントの特徴、即答できない電力会社役員も【争点:エネルギー】

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原子力規制委員会は16日、原発再稼働の可否を判断する新規制基準に基づく安全審査の申請を行った電力4社の5原発10基に関して、初回の審査会合を開いた。

各社ともに地震・津波への備えが十分であることや、過酷事故対策の有効性を説明した一方で、原子力規制庁担当者の質問に電力側の出席者が説明に苦慮する場面もみられた。次回会合は23日。

新基準は今月8日に施行され、関西電力<9503.T>大飯3、4号機(福井県)と高浜3、4号機(同)、九州電力<9508.T>川内1、2号機(鹿児島県)、北海道電力<9509.T>泊1─3号機、四国電力<9507.T>伊方3号機(愛媛県)の安全審査の申請がその日に出された。12日には九州電玄海3、4号機(佐賀県)の申請があったが、初回の評価会合では8日申請の10基が対象となった。

新規制基準は、活断層の真上に原子炉建屋など重要施設の設置を認めず、発電所の敷地の地下構造を三次元的に把握し、より精度の高い基準地震動策定を要求。東京電力<9501.T>福島第1原発事故の直接の原因となった津波への対策では、想定しうる最大の津波(基準津波)を設定して、敷地の高さが基準津波を下回る場合は防潮堤などを設置させる。また、重大事故を招く電源喪失を回避するために電源多重化の強化も求めている。

<地震・津波、対応可能と電力側>

16日に審査会合で電力側は、対象プラントにおける活断層について「敷地内の詳細な地質調査結果から活断層がないことを確認」(九電)、「敷地近傍には活断層は認められない」(四電)、「(活断層の認定基準の)後期更新世以降(約12─13万年前以降)の活動がないことを確認」(北電)、「敷地内破砕帯については、後期更新世以降活動がないことを確認」(関電)などと、いずれも規制基準の要求に対して問題はないと説明した。

津波への対応についても、「発電所の津波高さ(海抜4メートル程度)を評価した結果、敷地高さ(同13メートル)は十分高く、防潮堤は不要」(九州電)、「伊方3号機敷地前面の最大津波は2.47メートルで、敷地高さ10メートルに比べ十分低い」(四国電)、「(海抜10メートルの敷地に対して)最大津波は7.3メートル」(北海道電)、「原子炉施設の安全性が津波により影響を受ける恐れはない」(関電)と、各電力とも備えは出来ていると強調した。

<プラントの特徴、即答できない役員も>

初回会合では各電力が個別に申請内容を説明し、その後、原子力規制委・規制庁側の出席者が質問する形で進行した。九州電が、重大事故防止対策で想定される事故進行のパターンについて、「規制の解釈で指定されるパターンしか見つからない」と説明したところ、規制庁の担当者は、「ごく当たり前のパターンを指定している。自社プラントの特徴を把握し、対策を立てていただきたい」と注文を付けた。

同担当者は四電の役員に、「伊方3号機はどのような安全上の特徴があり、どのような対策を取っているのか」と質問したが、具体的な返答がなく、「各社が自分のプラントの特徴を即答できないのは問題」と苦言を呈した。

関電大飯3、4号については、発電所前面に広がる3つの断層の連動性を考慮した基準地震動を求める規制庁側と、連動しないと主張する関電との間で意見が食い違う場面もあった。関電側は「今後の審査の中で確認してほしい」と主張した。[東京 16日 ロイター]

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