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参院選に向けたエネルギー議論のまとめ【争点:エネルギー】

2013年07月19日 21時39分 JST | 更新 2013年07月21日 01時14分 JST
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Solar plant and atomic power station

複雑に入り組んだ問題となっている日本のエネルギー問題。ハフポスト日本版では今回の参院選において「エネルギー」を争点の一つとしたが、エネルギー政策の中でもとりわけ問題となっている「原発を維持するか、それとも原発ゼロを目指すべきか」という点を軸に、現在の議論を紹介したい。

■原発を利用する・しないはリスクをとるかとらないか

原発を利用するのか、利用しないでゼロにするのかとの議論については「原発を利用するかどうかは、リスクをとるかとらないかを決める話であり、本来なら原発のメリット/デメリットを判断するために多くの情報が開示されなければならない」とのコメントが寄せられた。メディアが多くの意見を開示していないために、人々は正しく判断できないのではないかとする意見である。

メディアが報じることが全てではないという点については、元NHKアナウンサーの堀潤氏が、3.11の当時、「まだ国は明らかにはしていませんが、深刻な原子力災害の恐れがあります」と記者が番組中に解説をしたことを例に上げ、NHKの内部でどのように情報が選別され、何が報じられていなかったのかということを詳しく書いている。

このような現状もあるが、「原発はゼロにすべきか、それとも維持すべきか」という議論に寄せられたコメントをみてみると、「安全上の問題」「コストの問題」「安定的な供給の問題」などのリスクの視点を元に「原発ゼロを“段階的に”目指すべき」との意見が多く寄せられた。

■安全上の問題〜新規制基準で原発再稼働審査開始と現在の原子力技術のあり方

原発に関する安全上の不安から、「どのような方法で、またそれぞれをどのような割合で用いて発電を行うか」というエネルギーミックスの中に、原発を含めない(原発の割合をゼロにする)方向を目指そうという意見が多い。6月に廃炉が決まった米国のサンオノフレ原発で起こった微量の放射性物質を含む事故の原因が、日本メーカーの三菱重工の配管設計ミスによるものとの指摘もある。原発の稼働に伴う原発廃棄物の最終処分場・方法が決められていない点や、進んでいない汚染水対策への指摘も上がっている。

そんな中、参院選公示後の7月8日、原発を稼働させるかどうかの新しい規制基準(原発新規制基準)が、原子力規制委員会(規制委)によって決定され、施行された。現在停止している原発が再稼働するためには、規制委によるこの新規制基準を元にした審査を通過した後、自治体の同意も必要とされている。新規制基準は「フィルター付きベントの設置」や「最大級の基準津波を想定」するなど「世界最高水準の厳しさ」とも言われており、審査を申請したのは、国内にある原発50基のうち12基であった。現在の新規制基準には、使用済み核燃料再処理工場など核燃料サイクル施設や試験研究炉に関する内容がふくまれておらず、これらは今後12月までにまとまるとされている。

しかし、米国では検査を抜き打ちで行なっていることに対し、日本では事前通告でありしかも定期検査であることを指摘する声もある。再稼働については非難の声も上がっているため、フィナンシャル・タイムズが、原発事故の恐怖が人々の記憶にまだ強く残っているうちから、政府が積極的に原発再稼働に向けて動き出すことは、逆に不安を募らせかねないと指摘するなど、海外のメディアからも再稼働に対する指摘が出ている。また、トルコなど日本が原発を売り込む先のメディアが伝えている内容を知りたいとの声も上がっている。

また、田原総一朗氏は、廃炉を行うにしても30年近くもかかるため、技術者が必要と指摘するが、堀江貴文氏は、廃炉という言葉はイメージが悪いため、原発を宇宙でやるなどのイメージアップ作戦が必要と述べる。なお、福島の原発事故時に現地で働いていた吉川彰宏氏は、人がどんどん辞めていく福島原発の現状を指摘し「このままでは新たな事故が起きる可能性」との懸念を表明している。フォトジャーナリストの小原一真氏は、原発で作業をされる方たちの姿を写真に収めて発信している。

いっぽう、「最新の原発の技術は大きく進歩している」とし、原発技術を更に磨くべきというような、原発の技術を評価する意見もある。

■「コストの問題」〜経済的な提案が脱原発のカギか

原発を“段階的に”ゼロにするという意見や、原発再稼働へ賛成とする意見には、コストの問題を理由に上げる人が多かった。ジャーナリストの武田徹氏は“原発が立地する自治体に対して「脱原発」を唱える人々が「原発を選ばずとも地域が過疎化から脱し、豊かな生活ができる方策を提案できていないからだ」”との意見を書かれている。

この記事に対して「多くの人は本音では原発賛成」という意見が多く見られた。「自分の懐具合が一番気になる」、「原発電力の消費地住民からすれば、発電方式はなんでもよく、電力が使えればハッピーであり、自由に電力が使えない不便な状況は避けたい」、多くの日本人にとって「差し迫った問題ではない」という考えが多くの人にあるため、「立地地元の人の不安を思い至る気持ち」が持てないし、「原発問題に無関心」なのではないかという意見が多かった。

原発問題に無関心であるなど、原発問題の議論に参加しない理由としては「原発が今の喫緊の最重要テーマだとは思えない」という、議論の優先順位を述べるコメントが多く見られた。しかし、議論を行う場合には、原発維持や脱原発によってそれぞれどのくらいの経済影響が予想されるか、原発廃棄物の最終処分が行われるまでにどのくらいの費用が必要であるか、国民一人一人にどの程度のコスト負担になるのかなどをもって議論すべきという意見もあった。

現在、稼働を停止している多くの原発に変わって、火力発電などが電力需要を埋めているが、発電を行うための燃料費は震災前に比べ、年3兆円あまりも増加しているという。燃料がいらなくなる「夢の計画」とされた核燃料サイクルは、もんじゅが停止されるなど、うまくいっていない。原発のゴミである使用済み核燃料を再処理して利用するMOX燃料は、プルサーマル発電に今後利用されるとされ、原発再稼働に向けて新規制基準での審査申請を出した関西電力の高浜原発に搬入されるなどしている。高浜原発のある地元・高浜町の野瀬豊町長は、町民約1万1千人のうち、3千人近くが原発関連で働くため、長期停止で町民の生活に大きな影響が及んでいるとして、再稼働を容認する考えだという。

原発に変わる再生可能エネルギーではコストパフォマンスが望めないのか。民主党政権時代には、「固定価格買い取り制度」が始まり、電力会社は太陽光や風力などの再生可能エネルギーで発電した電気を決まった価格で買うよう義務づけられた。買取費用は賦課金として電気料金に上乗せされるが、政府は再生可能エネルギーの普及に伴い、機器が値下がることを見込んでいる。高い買取額が設定されたため、発電事業に参入する民間企業も出てきた。

しかし、民間企業が発電事業に参入し、電力小売りをはじめるためにも問題があるようだ。1度でも太陽光発電事業への参入を断念した事があるとする事業社は多く、その理由は「土地の調達」に次いで、「送電網への接続」が多かったという。。送電できなければ売電はできない。送電網が既存の電力業界に牛耳られているという点が現在の問題だ。

安倍首相の成長戦略ではこの点にメスを入れ、電力小売りの全面自由化と発送電の分離を推進するとしており、電力業界の規制緩和が進むとみられている。もともとは6月26日まで開かれていた第183回通常国会において、発送電分離に向けた電力システム改革を盛り込んだ「電気事業法改正案」を成立させる予定だったが、与野党で調整がうまく行かず、廃案となった。安倍首相は秋の臨時国会でこの法案を成立させたいと考えており、参院選後の国会でこの法案がどのように扱われるかに注目が集まる。

発電のための燃料の高騰は、液化天然ガス(LNG)を増やしたためという指摘もある。 シェールガス採掘の開発が進み、LNGをより安く購入できるようになれば、一人ひとりの負担する発電コストも下げることができそうだが、シェールガス破砕には、採掘の際に使用する大量の水や化学薬品、地中に漏出したメタンなどが水源や土壌を汚染する危険性も指摘されている。この点については、米国ではシェールガスと並んでバイオマスをもう一つの柱と位置づけて育てているというコメントも出ている。

■原発に変わるエネルギーの安定供給と、国際的な日本の立ち位置に関して

原発事故後に行われた輪番停電の経験から、安定的な電力の供給を望む声も多い。「自由に電力が使えない不便な状況は避けたい」ということであろう。電力の安定的な供給の視点からも、複数の発電方法や、複数の発電元を持つという考え方が必要であろう。いざというときのために、エネルギー資源を一国に頼らない安全保障の観点が不可欠であり、自給率を上げるという視点も必要という意見もある。

原発に変わるエネルギーとして再生可能エネルギーに注目が集まったら、安定供給の面で不安があるとの指摘もある。4月に、メガソーラーでの発電の買取量を制限すると発表した北海道電力は、その理由を「天気によって発電量が大きく変わる太陽光発電を受け入れ過ぎると安定して電気を送れなくなる」としている。この点については、発電部分だけでなく、備蓄技術をより進化させるべきという意見や、再生可能エネルギーで生まれた電力を効率的に送電するスマートグリッドの仕組みを自然エネルギーの変動に対する調整能力を上げるべきとする意見も出ている。

また、国際社会の中で日本がどのようなエネルギー政策をとるかという視点も忘れてはならないだろう。11月にはポーランドでCOP19が開かれ、京都議定書に変わって先進国から途上国まですべての国が参加する温暖化対策の新しい枠組みが議論される。日本では「クールシェア」「コージェネレーション」などの取り組みも始まっているが、 まだまだ議論が少ない状態である。1つの視点からだけではない議論を、今後進める必要がある。

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■原発の安全性と原発再稼働・新規制基準

■原発とコスト

■安定的なエネルギー供給と、国際

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