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ローソンのアイスケースで悪ふざけ事件、FC契約解除は妥当

2013年07月26日 18時44分 JST | 更新 2014年06月05日 00時44分 JST

アルバイトの「悪ふざけ」で「FC契約解除」 ローソンの対応をどう見る?

アルバイト従業員が売り場のアイスクリームの冷凍ケースに入ったとして、高知市のローソン店舗がフランチャイズ(FC)契約を解除されるという騒動があった。

発端は6月中旬。アルバイト従業員が冷凍ケースの中に入り、アイスクリームを下敷きにして寝そべる写真がフェイスブックにアップされた。撮影したのは、従業員の友人だということだ。その後、この写真がツイッターなどで拡散され、「不衛生だ」と炎上状態になった。

ローソンにも苦情が届き、7月15日に公式サイト上で謝罪と処分が発表された。ローソンは今回の件について「食品を取り扱うものとしてあってはならない行為」とし、問題のアルバイト従業員を解雇させた。さらに、契約条項に基づいて、店舗とのFC契約を解除し、当分の間休業するとした。

こうしたローソンの対応について、ネットでは「当然」という声がある一方で、「FC契約解除はやりすぎでは」といった声も挙がった。はたして、今回のFC契約解除という措置は妥当だといえるのだろうか。家近知直弁護士に聞いた。

■信頼関係か「破壊」されたかどうかが問題

「まず『前提』ですが、一般にFC契約においては、FC全体の秩序維持のため、本部・加盟店の双方に各種の義務が定められています。この義務に違反した場合、契約を解除することができるという取り決めもあります。

ただし、多くの裁判例において、当事者間の信頼関係が破壊されるような事情がない限り、本部による解除権の行使は許されないと解されています。

なぜなら、FC契約では、加盟店が長期にわたって継続的に、多額の投資を行うことになるからです。軽微な違反で解除を認めると、加盟店に過度な経済的打撃を与えることになってしまうのです」

――では、今回の行為をどうみる?

「さきほどの『前提』を踏まえると、その行為でローソンと加盟店との間の信頼関係が破壊されたと言えるかどうかが問題となります。1回限りの行為ですから、本部が何度か指導をして、それでも改善が見込めない場合に、解除をするべきだという考えもあり得ます。

しかし、一般的に、コンビニのような小売業においては、顧客がその企業ブランドに対して良いイメージを抱いてもらうことが極めて重要になっています。つまり、本部のイメージを害するような行為は、当事者の信頼関係に重大な影響を及ぼすと考えられます。

特に、今回は単なる契約違反とは異なります。食品を扱う店としては、考えられないような重大な問題行為で、本部のイメージも大きく損なう内容でした」

――すると、契約解除は妥当?

「そうですね。しかも、その写真がインターネットにアップされ、多数の人間が見ることができる状態に置かれました。行為がたとえ1回限りであったとしても、これだけ拡散させてしまったわけですから、当事者間の信頼関係が破壊されたとみることも、十分できると思います。

加盟店側の事情等によっては今後、解除の効力を争う余地もあるかもしれませんが、早急にイメージ回復を図りたい本部としてはやむを得ない対応だったといえるのではないでしょうか」

確かに今回、騒ぎが拡散し「炎上状態」になってからのローソン側の対応は、かなり素早かったように思える。企業にとって「顧客の信頼」がどれだけの重みを持つのかが、垣間見られる事件だったと言えそうだ。

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家近 知直(いえちか・ともなお)弁護士

早稲田大学法学部卒業。第二東京弁護士会。

会社法、金融規制法、コンプライアンスなどの企業法務から個人の相談まで幅広く取り扱う。

事務所名: 弁護士法人第一法律事務所東京事務所