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黒田東彦日銀総裁「消費税率の引き上げでも成長は大きく損なわれず」

2013年07月29日 14時20分 JST | 更新 2013年08月19日 00時46分 JST
Reuters

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黒田東彦日銀総裁は29日都内で講演し、4月に導入した異次元緩和によるデフレ脱却の狙いが順調に進んでいるとの見方を示した。

最大のリスク要因として海外経済の下振れを挙げる一方、財政への信認の重要性を強調。消費増税が予定通り来春以降実施されても経済成長は大きく損なわれないとの見方を示した。

黒田総裁は異次元緩和の導入直後、当初の狙いと逆に長期金利が上昇したことなどから、緩和効果についてさまざまな疑問が寄せられたと述べた。しかし円安や株高など「金融の好転、期待の好転、経済・物価の好転」が見られており、狙い通りの緩和効果が見られている点を強調した。

日銀の国債買い入れによる名目金利の低下と、期待インフレ率の上昇により、企業の設備投資などに影響の大きい「実質金利は低下している」指摘。期待インフレ率の代表的な指標である物価連動債と国債の利回り差で示されるブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)も、5月には反動で下落したものの「年初と比較すれば明確に高まっている」と述べた。

6月の全国消費者物価指数(生鮮食品除く)がプラスに転じるなど経済・物価は「日銀の見通しに沿って動いている」とする一方、目標とする2%の物価目標達成までの「道のりは短くない」とも述べた。

最大のリスク要因として海外経済を挙げ、「欧州債務問題の根本的な解決にはなお至っていない」「中国が巡航速度での成長にソフトランディングしていけるか注意を怠れない」と述べた。

政府に対しては、財政の信認確保への取り組みを改めて要望。日銀による国債買い入れが「万が一、財政ファイナンス(穴埋め)と受け取られた場合、長期金利が上昇し、異次元緩和の効果が失われる可能性がある」との懸念を繰り返した。

講演後の質疑応答で、政府が現行法に従い来年4月以降2段階で消費税率を引き上げても「経済成長が大きく損なわれることはない」との見解を強調した。

*内容を追加して再送します。

[東京 29日 ロイター]

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