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裁判員を辞退「遺体写真見たくないから」認めるべき?

2013年08月01日 00時09分 JST
Getty
Young man stressed getting crazy alone at home. Ansiety and job stress concept.

「遺体写真や現場写真など、ショッキングな証拠が出てくるときはあらかじめ予告します」。

東京地方裁判所は裁判員のストレスを軽減するため、裁判員を選ぶ手続きの段階であらかじめ候補者に予告し、トラウマを理由に辞退できるようにするという。

裁判員候補者に「心の準備」をしてもらい、心的外傷(トラウマ)の恐れを感じた場合は選任前に辞退できるようにする。裁判所が検察側、弁護側と協議して争点や証拠を決める公判前整理手続きで、遺体写真などの証拠を必要不可欠なものだけに絞り込み、写真の代わりにイラストなどの使用を検討することも決めた。



(47NEWS「東京地裁、「衝撃証拠」予告 裁判員の心理負担軽減」より 2013/08/01 08:11)

■「殺害現場の写真がフラッシュバック」

今回の措置は、裁判員を務めた女性が現場写真を見たことが理由でストレス障害になったことがきっかけだ。

つらかった点として「(写真で見た)殺害現場の様子は血の海だった。裁判中に出された弁当の肉類が食べられず、吐いた」と自身の変調に触れた。


 検察側は証拠調べで、殺害現場の写真を見せたほか、被害者の女性が119番通報した音声を再生し、犯行の残虐さを強調した。裁判員の1人が「血まみれになった現場を見ると、死刑しかないと思う」と話すなど、判決に大きな影響を与えたとみられる。



(MSN産経ニュース「【裁判員のストレス障害】血まみれ写真に動揺し「弁当吐いた」」より 2013/04/18 14:24)

女性はその後、慰謝料を求め国を訴える。

強盗殺人罪などに問われた男に死刑判決を言い渡した3月の福島地裁郡山支部の裁判員裁判で、裁判員を務めた福島県郡山市の60代の女性が7日、審理で見た殺害現場の写真などの影響で急性ストレス障害になったなどとして、国に慰謝料など200万円を求める国家賠償請求を仙台地裁に起こした。



(MSN産経ニュース「「殺害写真で急性ストレス障害になった」女性元裁判員が国に賠償請求」より 2013/05/07 12:08)

■裁判員の心理面でのサポート体制はどうなっている?

最高裁は、裁判員のメンタルヘルスをサポートする窓口を設けているが、相談件数は選ばれた裁判員の数からすると、少ないという。

裁判員の心理的な負担軽減のため、最高裁は、24時間相談を受け付ける「裁判員メンタルヘルスサポート窓口」を開設した。昨年5月末までに選任された裁判員や補充裁判員は2万9574人に上るが、電話などを通じた相談件数は163件と少ない。



(MSN産経ニュース「【裁判員のストレス障害】非日常の体験、負担重く…裁判所の対応に課題」より 2013/04/18 14:00)

■最高裁は「できるかぎり配慮」

裁判員制度に関する、最高裁判所のホームページでは、「死体の写真なども見なければいけないのですか」という質問にこう答えている。

審理においてどのような証拠が取り調べられるかはケースバイケースですが,判断のために必要がある場合には,死体の写真のような証拠を見てもらうこともあります。このような証拠も,どのような事実があったのか(なかったのか)を判断する上で,必要と認められて取り調べられるものですが,取調べの仕方については,できる限り裁判員の負担の少ない方法になるよう配慮したいと考えています。



(最高裁判所「裁判員制度Q&A」より)

■裁判員は「断れない」

裁判員制度は「広く国民が参加する」という理念に基づいているため、裁判員に選ばれると、よほどのことがない限り、断ることはできない。学生や地方公共団体の議員、70歳以上の人を除くと、辞退できるのは以下の理由のみだ。

  • 重い病気又はケガ
  • 親族・同居人の介護・養育
  • 事業上の重要な用務を自分で処理しないと著しい損害が生じるおそれがある。
  • 父母の葬式への出席など社会生活上の重要な用務がある。
  • 妊娠中又は出産の日から8週間を経過していない。
  • 重い病気又はケガの治療を受ける親族・同居人の通院・入退院に付き添う必要がある。
  • 妻・娘の出産に立ち会い,又はこれに伴う入退院に付き添う必要がある。
  • 住所・居所が裁判所の管轄区域外の遠隔地にあり,裁判所に行くことが困難である。



(最高裁判所「裁判員制度Q&A」より)

■「裁判員の配慮すべき」「辞退容認は制度が崩壊する」賛否両論

東京地裁の措置について、Twitter上では賛否両論だ。

【※】「遺体写真を見たくないから」という理由で、裁判員を辞退することを認めるべきでしょうか? 皆さんのご意見をお聞かせください。