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『ジョブ型』の働き方を意識?若者の進路選択に変化の兆し=大和総研の分析より【争点:雇用】

2013年08月18日 19時42分 JST | 更新 2013年09月22日 17時08分 JST
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University students take notes as they attend a job fair hosted by Recruit Co. at Makuhari Messe in Chiba City, Japan, on Sunday, Dec. 11, 2011. Japan's economy grew less than the government's initial estimate last quarter as companies reduced investment on concern overseas demand was stalling. Photographer: Akio Kon/Bloomberg via Getty Images

『ジョブ型』の働き方を意識して、進路を選んでいる若者が増えているのではないかという分析が、8月15日に大和総研から発表された。8月7日に文部科学省から発表された、『平成25年度学校基本調査』に基づく分析である。

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『ジョブ型』とは専門性を武器に、スペシャリストとしてのキャリアを選ぶ働き方で、職種が限定されているということが特徴だ。いっぽう、これに対する『メンバーシップ型』は、職務も労働時間も勤務場所も決められておらず、企業側でいくらでも変えることができる雇用のあり方で、企業の一員(メンバー)になるという意味で使われる。専門スキルを要求されるわけではないが、組織への順応性や成長可能性、自発的な学習能力などが問われる。

大和総研の分析では、学校基本調査の大学進学状況に着目。平成25年の入学者のうち、保健、家政、教育の増加率が高くなっているのに対し、人文・社会科学の増加率は1%以下の水準にとどまっている点と、直近5年の学生数を、学部ごとに構成比でみた際にも、人文・社会科学の分野で低下が続く一方、保健・家政・教育の分野が上昇していることを指摘し、『ジョブ型』を意識した進路を選んでいるのではないかと分析した。

安倍首相が参院選前に打ち出した成長戦略では、『ジョブ型正社員』の本格導入などが盛り込まれた。職務等に着目した「多様な正社員」モデルの普及・促進を図るために、有識者懇談会を立ち上げ、来年度中のできるだけ早期に取りまとめて周知を図るとしている。

しかし、ジョブ型の雇用には、懐疑的な見方もある。東海大学の芦田宏直教授は、「企業の中で経験を積み、責任ある立場へと登っていくためには、スペシャリストではダメで、メンバーとしての能力を発揮することが重要」と述べている。

また、ジャーナリストの冷泉彰彦氏は、日本では「その会社でしか通用しない進め方」が発達しており、大学を卒業したら、そこで習ったスキルがそのまま“ジョブ”に結びつくための“標準化”など、社会的な変化が必要と指摘する。

これからの日本の雇用のあり方には『ジョブ型』または『メンバーシップ型』のどちらがふさわしいだろうか。あなたの考えをお寄せください。