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オバマ大統領「人種間の貧富の差は拡大している」キング牧師演説から50年

2013年08月28日 14時14分 JST | 更新 2013年08月28日 23時17分 JST


肌の色で差別されないアメリカ社会を求めて、公民権運動の指導者マーチン・ルーサー・キング牧師が「私には夢がある(I have a dream)」と演説したワシントン大行進から8月28日で50年を迎えた。歴史的な演説の舞台となった首都ワシントンのリンカーン記念堂の前で式典が行われ、黒人初の大統領となったオバマ大統領は演説の中で「人種間の貧富の差は減少するどころか、拡大している」と訴えた。

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アメリカ社会では、この半世紀で黒人に対する差別は大きく減ったものの、白人と比べて失業率や平均年収は低く、人種間の格差や不公平感はなお残ることが背景にある。オバマ大統領は次のように述べた。

半世紀前には想像不可能だったくらいにアメリカの黒人に成功例が出てきています。しかし、既に知れ渡っているように、黒人の失業は白人より2倍高いままです。人種間の貧富の差は減少するどころか、拡大しているのです。

28日の式典には、オバマ大統領のほか、クリントン、カーター元両大統領も出席した。

キング牧師の演説から46年後、黒人初の大統領となったオバマ大統領はキング牧師の夢を体現した象徴とも言われる。

オバマ大統領が2期目の就任式を行った1月21日はキング牧師の生誕を記念したアメリカの祝日。朝日新聞デジタルによると、宣誓では1期目の就任式で使ったのと同じ、奴隷解放を実現したリンカーン大統領の聖書に加え、キング氏の聖書も使用。さらに演説で「他者の自由は、我々の自由と不可分に結びついている。一人では歩けない」という、キング氏の1963年の演説のフレーズにも触れている。

一方、NHKによると、アメリカの最新の世論調査で黒人の79%が人種差別のすない社会の実現には「なすべきことがまだ多い」と回答。いまなお差別が残っていると感じている人が少なくない。8月24日にも一層の差別の解消を訴えて数万人がデモ行進をした。キング牧師の長男マーチン・ルーサー・キング(3世)氏も参加。MSN産経ニュースによると「郷愁に浸っているときではない。まだ仕事は残っている」と演説し、フロリダ州で黒人少年のトレイボン・マーティンさん(当時17歳)を射殺したヒスパニック系白人の元自警団員に無罪評決が下された今年7月の裁判についても言及し、人種差別の解消を訴えたという。

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