オリンピック記者会見 選手らにも汚染水の質問相次ぐ

オリンピック・パラリンピックの東京招致を目指す2020年東京五輪招致委員会は9月5日、ブエノスアイレスで2回目の記者会見を開き、ロンドン五輪に出場した体操の田中理恵選手らが東京での五輪開催をアピールした。しかし、海外メディアからは1回目の会見に引き続き、東京電力福島第一原子力発電所の汚染水漏れについての質問が続いた。

オリンピック・パラリンピックの東京招致を目指す2020年東京五輪招致委員会は9月5日、ブエノスアイレスで2回目の記者会見を開き、ロンドン五輪に出場した体操の田中理恵選手や競泳の入江陵介選手、フェンシングの太田雄貴選手らが東京での五輪開催をアピールした。田中選手は英語で「スポーツの普及、発展のために快適な環境を届けることを約束する」とスピーチした。共同通信が伝えている

しかし、海外メディアからは1回目の会見に引き続き、東京電力福島第一原子力発電所の汚染水漏れについての質問が続いた。オリンピックの出場経験がある馳浩衆議院議員は「国が対処することを安倍総理大臣が約束している」と回答。招致委員会の荒木田裕子理事は「私たちはオリンピックを招致するために選手の代表として、今できることに集中したい」と答えた。

■記者会見に望んだアスリートたちのアピール内容は?

会見では、2020年の五輪東京招致を目指し、日本の選手たちが団結してスポーツの普及発展や、国際交流を進めていくとする「アスリート宣言」を発表。体操の田中理恵選手は英語で「世界中のアスリートたちに議論の場を提供することは、大いに役立つ」とスポーツの普及と発展の重要さを述べた

ロンドン五輪で3つのメダルを獲得した入江陵介選手は、「昨年の五輪などで活躍することでたくさんの笑顔をいただいて、スポーツには人を引きつける力があると感じた」と語りかけた

宮城県気仙沼市出身で、パラリンピック陸上の佐藤真海選手は「震災から立ち直ることで、日本全国の人々が一つになった。アスリート自身が社会での役割を知り、復興の力、日本中の力になりたい」と話した

会見では、ドーピングが一番の「弱点」のイスタンブールを意識した声明もあった。フェンシングの太田雄貴選手は「日本はいままで五輪、パラリンピックで陽性反応がでたことは1度もない」と主張。また、日本水泳連盟会長、ソウル1988金メダリストの鈴木大地さんは、「日本はアンチドーピングに積極的に取り組んでいる世界でも有数の国。これからもその高潔性を高めていく重要な役割を担っていきたい」と述べた

日本サッカー協会最高顧問の川淵三郎さんは、次のように話した。

「僕が東京オリンピックにでた頃のオリンピックというのは、新しく出来た東京という町を知ってもらうという意味で、全く今の東京都は違います。サッカーを例に取って言えば、当時日本のサッカーの観客というのは数100人。何千人というお客さんが入りませんでした。東京オリンピックで何かし合いを見たいというときに、サッカーの切符が余っているというのが当時の状況でした。それが今、5万人、6万人の観客が入るようになりました。その違いも是非みてほしい。

東京の街そのものが、がぜんぜん違う国にになっているということで、世界中の人にぜひ東京を、日本人を、日本の文化を、歴史を、伝統を、ぜひ知ってもらいたいというふうに思います。」

(YouTube「選手本位の五輪アピール 東京、体操田中選手ら」より。)

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・記者会見に望んだ選手のアピール内容を追加(2013/09/06 12:57)

・初回の記者会見を別ページに分割(2013/09/06/ 14:16)

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