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シリア問題めぐり米ロ外相会談が冒頭から対立、ケリー国務長官「シリア攻撃排除せず」

2013年09月12日 20時46分 JST | 更新 2013年09月12日 20時46分 JST


アメリカのケリー国務長官とロシアのラブロフ外相は9月12日夜(日本時間13日未明)、ジュネーブでシリア化学兵器の国際管理・廃棄に関する協議を開始した。協議に先立って行われた共同記者会見で、ケリー長官は国際管理・廃棄の在り方について、「現実的、包括的、検証可能で信頼性があり、タイムリーに履行可能でなければならない」と強調。シリアが国際管理・廃棄を受け入れない場合には「結果を伴う」と述べ、アサド政権に警告した。時事ドットコムが伝えた。

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ロイターによると、ケリー長官は「オバマ大統領は、外交努力が失敗すればアサド政権の(化学)兵器供給能力を抑制し低下させるために、武力が必要になる可能性もあると明確にしている」と述べた。

一方、ラブロフ外相は「われわれは、この問題の解決策がシリアへのいかなる攻撃も不要にするという事実から進める」と指摘。「オバマ大統領も述べているように、アメリカはシリア問題について平和的解決策を模索すべきとの立場であると確信している」と述べた。

■ ついにアサド大統領も化学兵器保有認める

シリアのアサド大統領は12日、ロシアの国営テレビ「ベスチ24」のインタビューに応じ、自国の化学兵器を国際管理下に移すことに同意すると表明した。化学兵器を国際管理する計画はロシアのラブロフ外相が9日に提案、ムアリム外相らアサド政権の高官が同意を表明していたが、アサド氏自ら明言したのは初めて。

また、アサド大統領は国営ロシア通信(RIA)のインタビューで、「アメリカがわれわれの地域での真の安定を望み、攻撃すると脅すことをやめ、テロリストに武器の供給をやめて初めて、われわれは必要なプロセスを取ることができると確信できる」と述べた

また、シリアが化学兵器禁止条約に署名してから1カ月後に、化学兵器に関する情報を提供し始めるとの方針を示した。

■ プーチン大統領、ニューヨーク・タイムズに寄稿 シリア攻撃に警告

ロシアのプーチン大統領は11日付のアメリカの新聞ニューヨーク・タイムズに寄稿し、 アメリカがシリア攻撃に踏みきれば、紛争がシリア国外に広がり、テロリストの攻撃も引き起こす恐れがあると警告した

また、プーチン大統領は「イラン核問題やイスラエル・パレスチナ問題への国際的打開努力にも悪影響を及ぼし、中東・北アフリカを一段と不安定化させる恐れがある。国際法や秩序のバランスを崩すことになりかねない」と指摘した。

化学兵器の使用については、「政府軍ではなく反政府勢力がやったと信ずるに足る理由がある」と主張。目的は米国などの武力介入を実現するためだと述べた。

寄稿文の後半でプーチン大統領は、オバマ大統領が10日のアメリカ国民向けの演説で、武力行使に踏み切るべき理由として「アメリカは他の国とは異なる」からだと述べたことに反論。「動機が何であれ、国民に自分たちは『他の国とは違う』と考えるよう訴えるのは非常に危険だ」と釘を刺した

■ オバマ大統領、シリアから国内問題へ優先課題をシフト

オバマ大統領は12日、このところ対応に追われていたシリア問題から国内問題へと政府の優先課題をシフトする考えを示した

大統領はホワイトハウスでの閣議を前に「シリア問題に多大な時間を費やし、国際社会の目が同国で起きた惨事に向けられるよう努めているが、他にも政府が取り組むべき多くの課題があることを認識することが重要だ」と述べた。

今後注力する国内の優先課題としては、予算案、移民問題、医療保険改革の実施の3点を上げた。

■ イスラエル、化学兵器の国際管理案におおむね支持

イスラエルのシュタイニッツ戦略担当相は、軍のラジオで「われわれが全面的に信頼しているとは言えないが、もしロシアの提案がまずシリアから化学兵器を取り除き、その後それを廃棄することにつながるならば、それは今回の惨劇を終わらせ、この脅威を終わらせる方法でもある」と発言し、シリアの化学兵器を国際管理下に置く計画について、全面的ではないながらもおおむね支持する考えを示した

ネタニヤフ首相は11日、シリアのアサド政権に対し、「保有する化学兵器の放棄」を求めたが、ロシア案を支持するとは言明しなかった。

戦略相の発言は、シリアの化学兵器をまず国外に移すことにより、合意に基づく同国の化学兵器廃棄が進むことを望むイスラエルの姿勢を示唆した。

■ シリアが化学兵器禁止条約加盟へ、国連に申請文書提出

リア政府は12日、化学兵器禁止条約の加盟申請文書をニューヨークの国連本部に提出した。国連報道官が同日の記者会見で明らかにした

同報道官は「数時間前にシリア政府から化学兵器禁止条約に関する加盟申請文書を受け取り、翻訳している」と述べ、同条約加盟国となる「最初のステップ」と説明した。

シリアのアサド政権は、米国による軍事介入回避に向けた措置の一環として同条約の加盟を確約している。同条約は加盟国に化学兵器の完全撤廃を要求するもので、非加盟国はシリアを含め7カ国となっている。

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