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非嫡出子(婚外子)の相続格差を定めた民法の規定が改正されると、「親の扶養義務」はどうなる?

2013年09月22日 15時04分 JST | 更新 2014年06月07日 22時00分 JST

非嫡出子の「相続規定」が法律改正されると、「親の扶養義務」はどうなるの?

結婚していない両親の間に生まれた非嫡出子(婚外子)の相続格差を定めた民法の規定について、最高裁判所大法廷は9月4日、憲法違反とする決定を下した。

民法は、結婚していない男女の間に生まれた子(非嫡出子)の相続分は、法律上の夫婦の間に生まれた子(嫡出子)の半分としている。しかし今回、最高裁は「子どもは婚外子という立場をみずから選ぶことも取り消すこともできない」と指摘。家族のあり方が多様化している中で、非嫡出子を差別する根拠は失われたと判断した。

これまで最高裁が法律の規定そのものを憲法違反としたケースでは、いずれもその後に法律改正が行われている。非嫡出子に関する相続規定についても、これから改正が行われるとみられる。そうなると、非嫡出子は親の遺産を相続する際に、嫡出子と同じ権利を得ることになる。

ところで、そもそも子どもには親の扶養義務があるが、非嫡出子の場合、この扶養義務はどうなっているのだろうか。法律が改正されることで、扶養義務にも変化があるのだろうか。高木由美子弁護士に聞いた。

●「直系血族の扶養義務」は民法で定められている

「子が親を扶養する義務は、嫡出子しか負わないと、誤解している人も多いようです」

高木弁護士はこう切り出した。

「しかし、民法730条では『直系血族と同居の親族は相互に扶養する義務を負う』と、親族間の扶養義務を定めています。そして、この『直系血族』については、嫡出子か非嫡出子かを区別していません。したがって、嫡出子も非嫡出子も同等に、直系血族、つまり親を扶養する義務を負います」

このように述べたうえで、高木弁護士は次のように続ける。

「このことは、成人の子の認知について定めた民法782条からうかがえます。同条では、父親が成人になった子を認知する場合は、その子の承諾がなければ認知できないと規定し、親が子に一方的に扶養義務を負わせることを阻止しています。このことから、非嫡出子も親を扶養する義務を負っていることがわかります」

つまり、非嫡出子の相続規定が違憲とされるはるか前から、非嫡出子にも親の扶養義務があるとされていたのだ。したがって、「法定相続分について嫡出子と非嫡出子を区別する法律が、両者を平等に扱う法律に改正されても、親子の相互扶養義務に変更はありません」ということだ。

このようなことから、高木弁護士は「法の不備」について、次のように指摘している。

「これまでの民法によれば、嫡出子と非嫡出子は同等に親を扶養する義務を負うのに、非嫡出子の法定相続分は嫡出子の半分とされていました。この点だけをみても、明らかに不平等な法律であったことが分かります」

(弁護士ドットコム トピックス)

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【取材協力弁護士】

高木 由美子(たかぎ・ゆみこ)弁護士

第一東京弁護士会所属弁護士。カリフォルニア州弁護士

事務所名: さつき法律事務所

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