JR福知山線脱線事故、歴代3社長に無罪判決

兵庫県尼崎市で2005年4月、乗客106人が死亡した福知山線の脱線事故で、業務上過失致死傷罪で強制起訴されていたJR西日本の歴代の社長3人、元相談役の井手正敬(78)、元会長南谷昌二郎(72)、元社長垣内剛(69)3被告の判決公判が9月27日に神戸地裁であった。宮崎英一裁判長は「事故は予見できなかった」として過失ではないと判断し、いずれも無罪(求刑禁錮3年)を言い渡した。
時事通信社

兵庫県尼崎市で2005年4月、乗客106人が死亡した福知山線の脱線事故で業務上過失致死傷罪で強制起訴されていたJR西日本の歴代の社長3人、元相談役の井手正敬(78)、元会長南谷昌二郎(72)、元社長垣内剛(69)3被告の判決公判が9月27日、神戸地裁で行われた。宮崎英一裁判長は「事故は予見できなかった」として過失ではないと判断し、いずれも無罪(求刑禁錮3年)を言い渡した。時事ドットコムが報じている。

NHKニュースによれば、兵庫県尼崎市でJR福知山線のカーブで電車が脱線し、乗員・乗客など107人が死亡し、562人がけがをした事故ををうけて、歴代3社長は検察の捜査では不起訴となったが、神戸第1検察審査会の「起訴すべき」という議決により強制起訴された。そして今年5月31日、神戸地裁で3人の弁護側による最終弁論が行われ、あらためて無罪を主張し結審していた

公判では、現場のカーブで脱線の危険性を予見でき、自動列車停止装置(ATS)の設置を指示する義務を負っていたかが争点となった

宮崎英一裁判長は「事故が起きるまで、ATSを整備することは法律で義務づけられておらず、電車が脱線する危険性があるカーブを個別に判断してATSを整備していた鉄道事業者はいなかった。3人が脱線事故が起きることを具体的に予測できた可能性は認められず、ATSの整備を指示する義務があったとはいえない」と結論づけたという。

これにより、事故をめぐってJR西日本関係者は誰も刑事責任を問われないことが決まった

歴代3社長の無罪判決をうけて、事故で長女を亡くした大阪市の藤崎光子さん(73)は「JR西日本の弁解のみを採用した判決で、これでは企業体質は何も変わらないのではないかと思いました。この判決を容認するわけにはいかず、指定弁護士には控訴してほしい」と話したという。

JR西日本の真鍋精志社長は「改めて深くおわび申し上げます。事故の重大性と、事故を発生させた会社としての責任の重さを痛感しています。事故を二度と発生させないとの決意のもと、被害に遭われた方々への対応、安全性向上の取り組みなどに全力を尽くしていきます」としていますとコメントした

これをうけて、インターネット上ではこんな声が上がっている。

※JR西日本の歴代3社長が無罪判決をうけたこと、JR西日本関係者が誰も刑事責任を問われないことについてどう思いますか? 鉄道会社の安全対策の取り組みなど、あなたのご意見をお聞かせください。

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