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オリンピック東京開催で「成人雑誌」がコンビニから消える?

2013年09月30日 15時22分 JST | 更新 2014年06月06日 22時23分 JST
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Businessman reading magazine at convenience store

2020年東京オリンピック開催で「成人雑誌」がコンビニから消える?

2020年夏のオリンピックの東京開催が決定した。祝賀ムードが沸きあがっているが、その一方で、オリンピック開催にあわせて「成人雑誌の販売」が規制されるのではないかと、一部で話題となっている。

全く理由がない話ではない。週刊ポスト(9月13日号)によると、IOC視察団が東京を訪れた際、コンビニの成人雑誌コーナーをみて「顔をしかめた」というのだ。この記事は「都が直接的に有害指定の範囲を広げなくても、流通や販売ルートにプレッシャーをかければ、実質的に規制することができる」という出版関係者の談話を紹介している。

確かに、さまざまな人が集うオリンピックでは配慮が必要なことも多いだろうが、そのような「プレッシャー」は、日本では許されるのだろうか。三谷淳弁護士に聞いた。

●観光客から成人雑誌を隠すための法規制は、違憲の可能性が高い

「みなさんご存知の通り、憲法21条は出版社にも『表現の自由』を保障していますし、小売店舗には憲法22条で『営業の自由』が保障されています。憲法は法律に優先するルールですから、憲法違反の法律は無効になります。

もちろん、憲法で保障されるこれらの自由は、絶対無制約なわけではありません。ただし、オリンピックに集まる世界中の人たちの目から、コンビニにある成人雑誌を隠したいという理由で法規制を行うことは違憲になる可能性が高く、法律制定は難しいのではないでしょうか。

また、法律を制定しなくても、行政が流通や販売ルートに何らかの『強制』を課すことがあれば同じことです」

●成人雑誌をどうするかは、民間業者の「自主判断」

「一方で、流通や販売業者と、出版社やコンビニなどとの間の関係はいわゆる民・民、民間業者同士の関係です。

憲法が直接適用されるのはあくまで国家対民間の場面ですから、民・民の関係で憲法上の『表現の自由』や『営業の自由』が直接問題になることはありません。

したがって、『成人雑誌を出版するかどうか』『流通させるかどうか』『店に置くかどうか』は、各社の自主判断になります」

ということは、一部でささやかれている「心配」の声は、杞憂と考えていいのだろうか。

三谷弁護士は「オリンピック開催国といえども、国家が成人雑誌の一掃を強制することは難しい。一方、成人雑誌は企業にとって販売利益が見込める品ですから、コンビニから消えることはないのではないでしょうか」と話していた。

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【取材協力弁護士】

三谷 淳(みたに・じゅん)弁護士

三谷総合法律事務所代表弁護士

平成8年、慶應義塾大学3年時に司法試験最年少合格。平成18年に三谷総合法律事務所を設立し、豊富な法律知識と自慢の交渉力でクライアントの最大利益に尽力。1970年代生まれ中心の経営者勉強会【S70's】を主催し、約100人の経営者メンバーと切磋琢磨する。現在では数十社の顧問弁護士を務めている。

事務所名: 三谷総合法律事務所

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