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日銀短観、改善した業種とあまり伸びていない業種とは【争点:アベノミクス】

2013年09月30日 22時33分 JST | 更新 2013年09月30日 22時33分 JST
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Pedestrians walk past the Bank of Japan headquarters in Tokyo, Japan, on Thursday, March 7, 2013. The Bank of Japan rejected a call for an immediate start to open-ended asset purchases in Governor Masaaki Shirakawa?s final meeting before a new leadership takes over at the central bank. Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg via Getty Images

安倍首相が消費是増税の判断材料に使うとされていた9月の日銀短観が発表された。結果は2007年12月以来の高水準で、足元の景況感が改善していることがわかった。しかし、大幅に改善している業種もあれば、横ばいに留まっているものもあり、不透明感もある状態だ。今回発表された日銀短観の具体的な内容を紹介する。

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日銀が1日発表した9月日銀短観では、大企業製造業・非製造業ともに足元の景況感は改善した。特に大企業製造業は8ポイントの改善となり、水準はリーマン・ショック前の2007年12月以来の高水準となった。

売上好調を背景に経常利益が上方修正されたことが要因。ただ輸出企業では為替の円安修正が増益拡大の要因とみられ、外需自体は改善が止まった。また先行きも、海外持ち直し期待や増税前の駆け込みなどが予想されるにもかかわらず、製造業、非製造業ともに景況感は横ばいにとどまり、やや不透明感も感じさせる。設備投資は計画自体は短観でも底堅さがうかがえるが、計画通りの実績がついてくるかが課題となりそうだ。

・マインドは足元改善、先行き弱く

業況判断DIは、大企業製造業で8ポイントの改善となり、プラス12となった。リーマン・ショック前の07年12月のプラス19以来の水準にまで回復した。前回から悪化したのは金属製品のみ。素材、加工業種ともに改善した。内需の需給判断が改善を続けており、国内売上高が上方修正されたことなどが寄与。

一方、外需は、需給判断が前回の5ポイント改善からは横ばいにとどまった。アジア向けの輸出が振るわないことが背景とみられる。それでも為替の下期前提レートが94円台と前回から3円円安修正となり、輸出企業は増益幅を拡大した。

・物価上昇傾向強まる、非製造業の販売価格上昇鮮明

前期に続き、需要の回復とともに、物価上昇傾向がより強まっていることが鮮明となった。仕入れ価格判断は円安による輸入財や建設資材などの高騰で大幅に上昇しており、企業は販売価格に転嫁を始めている。製造業では、まだ販売価格判断は下落超過とはいえ、2ポイント上昇方向となった。非製造業は足元販売価格がプラス1の上昇超に転じた。

・設備投資計画はしっかり、計画通りの実行が課題

13年度の設備投資計画は大企業全産業で前年度比5.1%増、前回調査から0.3%の下方修正となったが、これは9月短観の季節パターン通り。中小企業は全産業で8%のしっかりとした上方修正となった。

問題は、投資計画通りに実績がついてくるかどうかだ。実績を確認できる法人企業統計では、4─6月の設備投資が全体で前年比0.01%増と3四半期ぶりプラスとなったものの、投資計画に比較するとわずかな拡大にとどまっている。

(ロイター日本語ニュース 中川泉)

[東京 1日 ロイター]

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