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本物の「月の塵」が入ったビール発売

2013年10月10日 18時44分 JST

米国デラウェア州にある醸造所Dogfish Head社が、「月の塵」を使って、限定版のビール「Celest-Jewel Ale」(セレスト・ジュエル・エール)を作った(Celestとは、イタリア語で 「神居ます至高の天空」 の意味。楽器のチェレスタという意味もある)。

この隕石は、宇宙飛行士が集めたものではなく、地球に自然に落下してきたものだ(月隕石は、月に他天体が衝突したときに、その衝撃によって地球まで吹き飛ばされてきた破片で、主に南極で発見されている)。

Dogfish Head社はこれらを、米航空宇宙局(NASA)の宇宙服を作っている技術会社ILC Dover社から入手したという。Dogfish Head社はビールについて、次のように説明している

Celest-Jewel-Aleでは、豊潤で麦芽の風味が強い「オクトーバーフェスト」スタイルのビールに、月の隕石を塵状に粉砕したものを浸している。証明書付きのこれらの月の宝石(Jewel)は、主にミネラルと塩でできているため、イースト菌による発酵過程を促進し、この伝統的なドイツビールに、わずかだが複雑な土臭さを与えている(「月臭さ」というべきかもししれない)。

ビールの原料となった月の塵。

このビールは、デラウェア州リホボスビーチにあるDogfish Head社の直営パブだけで販売されている。ILC Dover社の宇宙服と同じ素材でできた特別製の「クージー」(保冷カバー)も付いてくる(以下の写真)。宇宙の厳しい空間にも耐えられる素材だ。

「このカバーは、宇宙服で使われる素材であるオーソファブリック(Orthofabric)でできている。外側は白のゴアテックス(GORE-TEX) PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、内側はケブラー(Kevlar)で裂け止めしたNomex(ノーメックス)だ。ゴアテックスは滑りがよいため、宇宙服で移動するとき、各部同士の摩擦を抑えて動きやすくする。また、この色は太陽エネルギーの吸収を抑える」

このビールはホップが利いた、秋らしい香りだということだが、後味には宇宙の広大な空漠感も残るのではないか、と我々は想像している。

Dogfish Head社によると、残念なことにこのビールはすでに売り切れたという。NASAが大量にまた持ち帰ってくれるまで、当分は月のビールを飲めそうにない。

[(English) 日本語版:平井眞弓、合原弘子/ガリレオ]

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