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「影の銀行」中国GDPの4割に膨張 過剰融資でバブル崩壊の懸念も

2013年10月14日 22時33分 JST | 更新 2013年10月14日 23時08分 JST
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Australian dollar banknotes of various denominations and Chinese one-hundred yuan banknotes are arranged for a photograph in Melbourne, Australia, on Thursday, Aug. 15, 2013. The Australian dollar has declined 12 percent this year, the most among the Group of 10 major developed-market currencies, according to data compiled by Bloomberg. Photographer: Carla Gottgens/Bloomberg via Getty Images

中国では現在、「影の銀行」と呼ばれるシャドーバンキングの規模が急速に広がっています。「影の銀行」とは、一般的な銀行とは違って、証券会社やヘッジファンドなどが販売する金融商品を購入して、取引することを指します。免許制などで金融当局から厳しく監督される通常の銀行と比べて規制が緩いのが特徴。あまりの膨張っぷりに、日本やアメリカのようなバブル崩壊に繋がる可能性も指摘されています。

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中国政府が「影の銀行」の推定規模を公表。事実なら、日本や米国のバブルを超える水準

中国政府のシンクタンクである社会科学院は10月9日、中国経済における「影の銀行(シャドーバンキング)」の規模が20.5兆元(約328兆円)に達している可能性があることを明らかにした。この数字は日本のバブル崩壊や米国のリーマンショックにおける過剰融資の水準を上回っており、いつバブルが崩壊してもおかしくないことを示している。

社会科学院による公式データを元にしたシャドーバンキングの規模は14.6兆元(約234兆円)、市場データからの推定では20.5兆元に達するとしている。

もし20.5兆元という数字が正しいとすると、これは中国のGDPの約40%、貸出総額の16%を占めることになる。

世界経済は、1990年前後の日本におけるバブル崩壊と2008年のリーマンショックという2つの巨大バブルの崩壊を経験している。このため、どの程度の過剰融資がバブル崩壊を引き起こすのかについては、おおよその知見がある。

中国におけるシャドーバンキングの数字について日米と比較してみると、中国の現状は両国よりもさらに悪いことがわかる。中国のGDPに対する融資総額(シャドーバンキングを含む)の比率は2.5倍に達している。日本はノンバンクの不動産融資が、米国はサブプライムと呼ばれる不動産融資が膨張してバブル崩壊となった。バブルが崩壊した当時の日本や、リーマンショック当時の米国について、中国と同じ条件で計算すると融資総額はGDPの1.5~1.7倍程度になる。中国はすでに2倍を超えており、この数字が正しければ、中国はいつバブルが崩壊してもおかしくないことになる。

ただ中国の場合には、経済の状況が自由市場を原則とする日米とは大きく異なっており、同じ条件での比較が難しい。日米は融資総額がGDPの1.5~1.7倍になった段階でバブルが崩壊している。中国がもし自由市場の国であれば、同じ水準になった段階ですでにバブルは崩壊していただろう。だが中国経済は現在も崩壊せずに何とか状況を維持している。それは中国経済が国家によって統制されており、私有財産を無視した強権的な市場安定策や不良債権処理が可能となっているからである。

李克強首相はこのところ中国経済の運営に自信を示した発言を繰り返し行っている。もしかすると、強制的な不良債権の処理にある程度メドがついているのかもしれない。だが仮にそうなった場合でも、不良債権を完全に処理するまでには、最低でも米国と同じ程度の期間を要する可能性が高い。振興国としての高度成長が背景にあるとはいえ、当分の間、中国経済は低空飛行が続くことになるだろう。

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