サウジアラビアにある聖地メッカには現在、数百万人のイスラム教徒たちが、巡礼(ハッジ)を行うために集まっている。その様子をGIF画像で紹介しよう。

今年のハッジの期間は10月13日から18日とされている。

戒律に従って全身を白い衣装でまとった巡礼者たちが、イスラム教の五行(5つの義務)のひとつであるメッカ巡礼を行うために世界中から集まってくる。男性の巡礼者は、イフラームと呼ばれる白い衣服を身につける。この衣服は、神の前では巡礼者はすべて平等であるということ示すためのものとされる。

メッカ巡礼はイスラム教徒の義務だが、ほかの義務とは異なり、巡礼を実行できる体力や財力のある者のみが行えば良いともされている。

around kaaba

「タワーフ」という儀式では、まず信者たちはカアバ神殿の周りを徒歩で7周する(急ぎ足で4回、続いて3回ゆったりとしたペースで、反時計回りに回ることになっている

カアバとはアラビア語で「立方体」を意味する。カアバの東の角には、大きな黒曜石「黒石」がはめこまれている。巡礼者が着衣で拭って接吻するため磨り減ってしまったので、現在は金属の覆いがかけられている。なお、カアバが中枢に据えられた礼拝堂(モスク)「マスジド・ハラーム」は、カアバを中心とする中庭と、中庭を取り巻く二階建ての礼拝施設からなっており、モスク全体をあわせると約100万人が同時に礼拝を行うことができる。

伝承によれば、カアバはそもそも神アッラーが、人類の祖であるアーダム(アダム)とその妻ハウワー(イヴ)に命じて建設させた聖殿であり、その周囲を回ることは、天上の神の玉座とそれを巡る天使たちの地上における再現だという。最初のカアバの建物はヌーフ(ノア)の時代の大洪水によって失われ、その場所がわからなくなっていたが、「最初の預言者」アブラハムが、神からカアバの場所を教えられ、息子イシュマエルとともにカアバを建設したとされている。

マスジド・ハラームの中庭には、ザムザムの泉もあり、イスラム教徒たちはこの近くで「サアイ」という儀式を行う。サファーの丘とマルワの丘の間を7回駆け足で往復するものだ。

これは、アブラハムの第二の妻ハガルが、荒野で息子イシュマエルのための水を探すために走り回った様子を再現するものだ。ハガルの祈りは、神によって遣わされた天使により叶えられ、ザムザムの泉から水が湧き出したとされている。

巡礼者たちは、メッカの東にあるアラファト山へ移動し、日没まで滞在し、祈る。

アラファト山は高さ約70メートルの丘で、預言者ムハンマドが最後の説教を行った場所とされている。

巡礼者たちは、アラファト山と、ミナという町の間にあるジャマラートで、「ジャマラートの投石」という儀式を行う。石柱に向けて7つの小石を投げるものだ。

投石の後、ヤギやヒツジを生贄として捧げるイード・アル=アドハー(犠牲祭)という儀式が行われる。これはアブラハムが、神のために息子イシュマエルを犠牲として捧げた忠誠心を記念するものだ。生け贄の肉は貧しい人たちにも分け与えられる。

この儀式の後、男性巡礼者たちの多くは髭を剃る(それまでの間は髭を剃らず、爪も切らない。髭を剃るという行為は、再生の象徴であると同時に、ハッジによって巡礼者の罪が一掃されたことを示す)。

巡礼者たちはメッカへ戻り、再びカアバ神殿の周りを徒歩で回る「タワーフ・アル・ワダ」と呼ばれる別れの儀式を行い、メッカを去る。

[Yasmine Hafiz(English) 日本語版:丸山佳伸、合原弘子/ガリレオ]