「母の頭上に子どもたちが大集合」野生生物写真コンテストの最優秀作品

ロンドン自然史博物館とBBCが主催する、名誉ある野生生物写真コンテスト「ワイルドライフ・フォトグラファー・オブ・ザ・イヤー2013」については、ハフィントンポストでも8月にいくつかの応募作品を紹介した(日本語版記事)。このたび、その審査結果が発表された。

ロンドン自然史博物館とBBCが主催する、名誉ある野生生物写真コンテスト「ワイルドライフ・フォトグラファー・オブ・ザ・イヤー2013」については、ハフィントンポストでも8月にいくつかの応募作品を紹介した(日本語版記事)。このたび、その審査結果が発表された。

10月15日(英国時間)にロンドン自然史博物館で行われたセレモニーで、2013年フォトグラファー・オブ・ザ・イヤーに輝いたのは、南アフリカの写真家グレッグ・ドゥ・トイト氏だ。国際的な顔触れの審査員たちは、同氏の受賞作品「Essence of elephants(ゾウのエッセンス)」を選んだ。ボツワナのノーザントゥリ動物保護区で撮影された、神秘的で力強いアフリカゾウたちの写真だ。

トイト氏は、ある象の群れの完璧なショットを撮影しようとして、10年間を費やしてきた。その情熱と準備、そして幸運が、この受賞作品として結実したことになる。同氏はこの写真について、「ゾウたちと一緒にいるときに感じる特別なエネルギー」の片鱗を伝えるものだと説明している。

96ヶ国から寄せられた4万3000点もの応募作品の頂点に立った同氏の写真は、自然史博物館で10月18日から始まる写真展の目玉として展示される。その後写真展は、英国内や他国でも開催される予定だ。

一方、若手写真家から選ばれる「2013年ヤング・ワイルドライフ・フォトグラファー・オブ・ザ・イヤー」に輝いたのは、14歳のウダヤン・ラオ・パワールくんだ。受賞作品は「Mother’s little headful(母の頭上に子どもたちが大集合)」。インドに生息するワニ「インドガビアル」の印象的な光景を撮影したものだ。

キャプション「全長400~600センチメートル。孵化直後の幼体は全長約38センチメートル程度。大型種だが、魚食性であり、人を襲うことはないとされる。開発による生息地の破壊、食用や皮目的の乱獲などにより生息数は激減している」

撮影場所は、インドのマディヤ・プラデーシュ州を流れるチャンバル川の河岸だ。現在、砂の不法採掘および密漁の脅威が増している一帯でもある。

ウダヤンくんは、この早朝の一瞬をとらえるべく、川の近くで一晩キャンプを張ったという。「子ワニたちの鳴き声を聞いて、母ワニが、濁った水中から川面に顔を出しました。すると、子ワニたちは水面から突き出た母ワニの頭の上にわらわらとよじ登ったのです」

審査員である有名な写真家ツイ・デ・ロイはこの作品について、「母ワニの視線はまっすぐにこちらを見ているように感じる。自分たちを平和なまま生きさせてくれ、と訴えているかのようだ。この写真は美しいだけでなく、さまざまなことを考えさせる。同時に、素晴らしく楽しい雰囲気もある。受賞にぴったりの作品だ」

これら2作品は、18の分野で優秀作品に選ばれた作品から、特に選ばれたものだ。ほかの分野の優秀作品も紹介しよう。

Take a look at last year's winners of the Wildlife Photographer of the Year:

Treading Water

Veolia Environnement Wildlife Photographer of the Year 2012

Flick through National Geographic photos, celebrating 125 years of photography:

Photo by Paul Nicklen/National Geographic

125 Years Of National Geographic Photography

以下のスライドショーは、昨年のコンテストの優秀作品だ。

Grand-Prize

The National Geographic Photo Contest 2012 - Winners

[Matthew Tucker(English) 日本語版:ガリレオ]