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「モンハン」改造、カプコンが警告 ゲームデータの改ざんは違法か?

2013年10月30日 15時27分 JST | 更新 2014年06月06日 22時13分 JST
capcom.co.jp

ニンテンドー3DS用の人気ゲーム「モンスターハンター4」(モンハン4)で、勝手に改造されたデータがプレイヤー間で広まり、大きな問題となっている。改造データを使うと、珍しい装備が手に入れやすくなるなど、本来ではあり得ない事態が起きるようだ。

これらの改造データは、主に3DSの無線通信機能を通じて拡散しているとみられる。「すれ違い通信」と呼ばれ、近くにいる人と自動的にデータをやりとりする仕組みで、通常のデータに混じって、こうした改造データが数多く「流通」しているという。

メーカーのカプコンは、こうした改造データを使うと、ゲームが正常に遊べなくなる可能性があると指摘。プレイヤーたちに、受け取った改造データは直ちに削除するよう呼び掛ける一方、もし改造データを使用していることが判明すれば、公式イベントへの参加を一切拒否する、などと警告している。

こうした「改造データを作りだすこと」や「改造データを他人に送信する行為」は、ゲームの性質を大きく変えるものだと言えるが、「違法」というべきものだろうか。知財財産関係を得意分野とする石下雅樹弁護士に聞いた。

■著作権違反の可能性あり

「結論から言えば、『モンハン4』の改造データの作成やその送信は、『同一性保持権』の侵害として著作権法違反となる可能性があると考えます」

石下弁護士はこう切り出した。同一性保持というのは、かみ砕くと『勝手に変えてはいけません』ということだが、どんな判断で違法とされる可能性があるのだろうか。

「この点は『ときめきメモリアル』事件判決と、『三国志Ⅲ』事件判決が参考になります。前者は、改造データにより想定外のゲームが展開され、ストーリーの改変を引き起こすことを理由に同一性保持権の侵害を認めました」

なるほど、過去にはデータ改造がゲームのストーリーそのものを変えてしまうとして、著作権法違反が認められたケースがあったわけだ。だが『三国志Ⅲ』事件の判決では、著作権法違反と認められなかったようだ。なぜ、そのような違いが生まれたのだろう。

■ストーリー改変と映画的要素がキーポイント

「『三国志Ⅲ』事件判決では、ユーザーによりゲーム展開が千変万化するため、改造データによるゲーム展開の改変が明確ではなく、かつ静止画の割合や表現方法から、映画類似の視聴覚的効果を否定し、改造データ作成について著作者人格権侵害等を否定しました。

2つの事件の判決の違いは、明確なストーリーの改変の認定の有無や、映画類似の視覚効果の有無などによったと考えられます」

つまり、2つの事件の結論を大きく分けたのは、データ改造がゲームのストーリー展開に与えた影響と、映画的な要素がどこまで大きいか、という判断だったようだ。『モンハン4』の場合はどうだろうか?

■著作者が想定していないゲーム展開も

「まず、『モンハン4』については、ゲームの映像や動画に照らせば、同ゲームは映画類似の視聴覚的効果を持つ著作物と評価されます。

また、流通している『改造ギルドクエスト』では、本来いないモンスターの登場や、一つしか出現しないお宝エリアの複数出現等の種々の改変が確認されているようです。

この(ギルド)クエストとは、特定の任務の受注から完了までの一連のイベントですから、想定された一定のゲーム展開を改変する結果になる可能性も十分考えられます」

石下弁護士はこのように解説したうえで、「したがって、今回の『モンハン4』のケースでも、改造データの作成・送信行為が、同一性保持権等の侵害にあたるとされるリスクは否定できません」と、プレイヤーに注意を呼びかけていた。

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【取材協力弁護士】

石下 雅樹(いしおろし・まさき)弁護士

弁護士法人クラフトマン 代表弁護士・弁理士

ITに関する法律、特許・商標・著作権等の知的財産権、国際取引、労働法、会社法務等のビジネスローを中心に業務を行っている。

事務所名: クラフトマン新宿特許法律事務所

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