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「運転する権利」を訴えるサウジ女性の歌がネットで大人気

2013年10月30日 14時43分 JST | 更新 2013年10月30日 14時43分 JST

サウジアラビア生まれで、現在はカリフォルニアの大学で学ぶ女性ロタナ・タラブズーニさんは素晴らしい声の持ち主だ。彼女はその声を使って、祖国での女性の運転解禁を訴えている。

力強いメッセージを歌いあげるタラブズーニさんの動画(冒頭に掲載)は、投稿からわずか6日間で閲覧回数が8万回を超え、ネット上では今でも急激な勢いで拡散が続いている。

女性の運転が禁じられているサウジアラビアでは10月26日土曜日、運転の自由を求めるキャンペーン「一斉運転」(日本語版記事)が各地で行われた。

タラブズーニさんはそれに先立つ10月21日、世界的な人気を集めている16歳のシンガーソングライター、ロードが歌う「チーム」のカバー動画を発表した。タラブズーニさんは自分の思いを伝えるべく、オリジナルの歌詞に少し修正を加えている。

「私たちは、スクリーンでは決して目にできない街に住んでいる。あまり美しいところではないけれど、どうすれば自由にドライブできるか知っている」[オリジナルは「how to run free(どうすれば自由に駆け回れるか)」となっている]

タラブズーニさんはYouTube上で、「この動画は、文化の壁に負けることなく権利を求めて立ち上がり、自分の夢を追いかける勇気ある女性すべてに敬意を表すものです。そして、あとに続こうとする女性たちの背中を押そうとするものなのです」とコメントしている。

タラブズーニさんは現在、サザン・カリフォルニア大学でコミュニケーション学を勉強している。彼女は情報サイト「Mashable」に対し、サウジアラビアにいる女性たちと一体感を感じている、と語った

「サウジアラビアの女性は、かつてないほどの発言力と勇気を持つようになりました。数々の障害を乗り越えようとしているのです。私もとても勇気づけられています」

サウジアラビア各地では10月26日、60名を超す女性たちが、運転する権利を求めて自動車を走らせたと伝えられている。報道によれば、警察の取り締まりはさほど厳しくなかったという。CNNは、25名の女性が運転する自らの姿を撮影し、YouTubeに動画をアップロードした、と報道している。

朝日新聞の記事によると、一斉運転を呼びかけたのは、2011年に自ら運転する動画(文末に掲載)をネットに掲載して逮捕された技師マナル・シャリフさん(34歳)ら。9月下旬にネットで始めた政府への嘆願書への署名は1万6000人を超え、女性が自らハンドルを握る様子を収めた動画がネットに次々とアップされていた。しかし、同サイトへの国内からのアクセスはその後遮断され、宗教者等からの反発も強かったため、女性活動家の1人は事前にAFP通信に対して、一斉運転を断念して「無期限の運動に切り替える」と語っていた。しかし一部の女性は26日、運転に踏み切ったという。

なお、サウジアラビアは、コーランに基づくイスラム法シャリーアによって統治されており、勧善懲悪委員会と呼ばれる宗教警察がある。女性の運転は同国の道路交通法で規定されているわけではないが、宗教令の解釈を根拠に、実質的に認められていない。自転車やオートバイについては最近許可されたが、場所は公園や娯楽施設に限定されており、全身を覆うアバヤの着用と男性親族の付き添いが条件だ。女性の海外旅行も、男性の同伴なしでは違法となる(日本語版記事)。

[Megan Griffo(English) 日本語版:遠藤康子、合原弘子/ガリレオ]

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