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「公邸に住むべき」 野田元首相が指摘した安倍首相の矛盾とは?

2013年11月08日 02時56分 JST | 更新 2013年11月08日 02時56分 JST
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Yoshihiko Noda, Japan's prime minister and president of the Democratic Party of Japan (DPJ), speaks during a news conference at the party's election center in Tokyo, Japan,on Sunday, Dec. 16, 2012. Japan's Liberal Democratic Party (LDP) won parliamentary elections to reclaim power three years after surrendering half a century of control, ensuring the country will get its seventh leader in six years, exit polls showed. Photographer: Haruyoshi Yamaguchi/Bloomberg via Getty Images

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野田元首相が公邸に住まない安倍首相を批判。歴代首相はなぜか私邸住まいが多い

国家の安全保障を極めて重視している安倍首相がなぜ首相公邸に住まないのか?とWebサイトで批判した野田元首相の発言がちょっとした話題となっている。

野田氏は自身のWebサイトにおいて、安倍氏が日本版NSC(国家安全保障会議)法の成立に強い意欲を持っていることを高く評価し、同法案に基本的に賛成する意向を示している。

その上で野田氏は、制度改正以前の問題として「最大の危機管理は、総理大臣が公邸に住むことです」とし、私邸から首相官邸に通っている安倍氏を批判した。

確かにホワイトハウスに住む米国大統領をはじめとして、各国のトップは公邸に居住することが多い(ドイツのメルケル首相のように私邸に住む人もいる)。その最大の理由はもちろん警備上の問題である。移動は整備当局がもっとも神経を使う場面であり、毎日の出勤がなければその分、危険にさらされるリスクはかなり小さくなる。また災害時に道路が寸断されて首相が官邸に入れないという事態も回避できる。もちろんトップが公邸に住むという象徴的な意味もあるだろう。

一方、日本の首相は伝統的に公邸に住まないケースが多い。吉田茂元首相は、白金台の旧朝香宮邸を事実上の公邸としてしまい、政務もそこで実施していた。鳩山一郎元首相は、財力にモノをいわせて建設した有名な「音羽御殿」から通い、政務の一部も自宅で行っていた。田中角栄元首相も目白の巨大な私邸を愛用しており、田中氏の絶頂期には田中氏にお伺いを立てる政治家や官僚が列をなし、やはり「目白御殿」と呼ばれた。

首相公邸に積極的に住むことを主張したのは、官邸機能強化を掲げた中曽根元首相であった。さらに小泉元首相は、結果的に首相官邸の建て替えやそれに伴う公邸の建て替えを手がけることになり、一貫して公邸に住み続けた。最近は立派な私邸を構える財力が政治家になくなっていることもあり、公邸に居住する首相が増えてきている。安倍氏も最初の内閣では公邸住まいだったし、民主党の首相は皆公邸に住んでいる。

首相の警備という点では、公邸に住んだ方が安全であることは間違いなく、その点で野田氏の主張はまさに正論といえるだろう。だが公邸は人の出入りが多く、密会がしにくいことや、プライベートな情報が外部に漏れることを気にする人も多い。また現在の公邸は以前の首相官邸であり築85年になろうとしている。全面改装は行われたものの、不便で住みにくいという指摘もある。今後、公邸暮らしが完全に定着するかは不透明だ。

小泉氏は、休日の午前中はパジャマのまま公邸内を悠然と徘徊し、大好きなクラシック音楽を大音響で聴いていたという。公邸暮らしをするためには、そのくらいの図太さが必要なのかもしれない。

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