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福島第一原発の影響か習慣病か?がん検診啓発パンフ巡り郡山市で議論に

2013年11月13日 15時48分 JST | 更新 2013年11月24日 00時34分 JST

fukushima kooriyama

福島県郡山市で小学生向けに配布された「がんのおはなし」と題する啓発パンフレットが、東京電力福島第一原発の事故の影響を心配する市民やインターネットユーザーらから批判を受けている。作成した市保健所は「がん予防の大切さを周知させるつもりで、原発事故とはまったく関係ない」と説明するが、「将来クラスの2人に1人ががんになる?!」といった文句を、放射性物質の影響による健康被害から市民の目をそらす意図があると受け取った人がいたようだ。

ハフィントン・ポスト日本版の取材に応じた郡山市保健所によると、パンフレットは全8ページ。原発事故前の2010年から毎年配られている。東大医学部附属病院放射線科の中川恵一准教授が監修しており、子ども向けにがん細胞のでき方や治療法などの知識、生活習慣病としてのがん予防や家族のがん検診受診、命の大切さなどを子どもや家族向けに啓発する内容。2013年は10月に、市内の公立、私立など計68の小学校の6年生を対象に、市教委に配布を依頼した。

表紙には「将来クラスの2人に1人ががんになる?!」「30人のクラスだったら、将来がんになる人は15人、がんで死ぬ人は10人になることに!」という文言が並ぶ。

11月に入り、ネットで内容を疑問視する投稿が相次ぐようになった。

原発事故の影響で郡山市内にも依然として高濃度に汚染された場所が点在する現状を考えれば、自ずと子どもや親の不安に配慮することができたはず。もし、全く頭になかったのだとすれば、あまりにも市民感覚からはかけ離れた、鈍感な行政マンだと言わざるを得ない。



(民の声新聞:「がん検診啓発パンフレット」が浮き彫りにした行政の鈍感さ~郡山市保健所は原発事故との関連を否定」より 2013/11/11 17:29)

市保健所の担当者は「福島の原発事故の影響を隠蔽するような意図はまったくなかった。配慮に欠けた、と言えばそれまでだが、考えが及ばなかった」と言う。「手にとって読まれなくては啓発した意味がない。表紙だけでもインパクトのあるものを、と思って内容を変更したが、仇になった。来年度は内容の見直しも検討したい」と話す。

市保健所によると、配布したものは昨年と表紙も内容もまったく同じ。「なぜ今年になって、突然こんな反応が」と担当者は戸惑うが、背景には福島県の2013年8月11月の検査で、原発事故当時18歳以下の子どもに甲状腺がん患者やその疑いのある人が比較的高い率で見つかっていることがあげられる。県は現時点で原発事故との因果関係を否定的にとらえているが、健康被害に敏感にならざるを得ない地元住民の心情を刺激した面もあるようだ。

一方でネットでは、郡山市保健所に理解を示す投稿もみられる。

興味を引くためにこのような表紙になっているのでしょう。原発事故前から配っていたのに、原発事故の影響をごまかすためにこういう風に書いてるんだろ!というのはあまりにも無理があります

「がん」に対して過敏になっている人がいるのもわかりますが、二人に一人ががんになるとか三人に一人ががんで死ぬとかいうのは、昔からよく言われていることです(厚生労働省政策レポート)。これを小学生に教えるのがおかしい、とは思いません



(うさうさメモ:「小学生に配られた「がんのおはなし」について郡山市保健所に問い合わせてみた 」より 2013/11/12)

【※郡山市のパンフレットの記載に問題はあると思いますか?コメント欄にご意見をお寄せください】

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