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LINE、子供の安全なSNS利用のため12月に専門部署立ち上げへ 泉原克人執行役員「ネットリテラシーの啓発を」

2013年11月15日 20時35分 JST | 更新 2013年11月18日 19時25分 JST
line.naver.jp

便利なコミュニケーション・アプリ「LINE」。現在、そのユーザー数は世界で2億9000万人を突破。日本国内でも4900万人が愛用している。

今では、中高生を中心に多くの子供たちがスマートフォンを持ち、友だちとの気軽なコミュニケーション・ツールとしてLINEを使っている。一方で、グループトークなどの「既読スルー」といわれている現象や、掲示板などを通じて知らない人と出会ってトラブルに巻き込まれる事件なども報じられている。

先日、ハフポスト日本版に掲載した「『LINEを使いたい』といったらどうする? 親が知っておくべき、ネット依存やいじめの可能性」という記事にも大きな反響があり、LINEを使う子供たちへのネットリテラシー教育に対する、親世代の関心の高さが伝わってきた。

そこで今回は、子供たちの安全な「LINE」利用に関する、LINE株式会社の取り組みを、執行役員である泉原克人(いずはらかつひと)さんに聞いた。

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——LINEいじめなどの問題が報じられることもありますが、LINEが若者の間で広く普及したのは、やはり使いやすく便利だからだと思います。まずは子供たちの日常生活に役立っている具体的な使用例を教えていただけますか?

■家族とのコミュニケーションのツール

まず、家族とのコミュニケーションの活性化に役立っていることが挙げられると思います。あるご家族が、LINEのグループトークを使っている様子をテレビのニュースで取り上げていただいたことがあります。

そのご家族は、東京にお住まいですが、長男のお子さんが北海道の大学に進学されました。長男の方は、ほとんど発言をしないようなんですが、LINEは「既読」の人数が表示されるので、家族同士の会話を、長男のかたも”見ている”ことが親御さんに伝わります。遠く離れていても、会話をしていなくても、いつも長男の存在が感じられる、とLINEをご紹介していただきました。

■親しい人の安否確認や災害時の情報発信のツール

また、もともとLINEが生まれたきっかけは、東日本大震災です。震災の直後、なかなか電話がつながりませんでした。Skypeを使った人は、わりと早く連絡が取り合うことができたようですが、電話が通じたのは、地震発生から何時間か経ったあとでした。

この経験をふまえて「震災などの緊急時でも、家族や親しい友人たちがすぐに連絡が取り合える手段を」ということで、普及しつつあったスマートフォンに最適化したコミュニケーション・ツールとしてLINEのサービスが誕生しました。

そういう意味で、災害時にも役立っているようです。山口県を豪雨が襲った際には、ある高校生のお子さんがLINEで一早く家族に危険な状態を伝え、公共放送で災害の情報が報じられるよりも早く、適切な避難をされたということもあったようです。首相官邸や各自治体にもLINEを活用頂いており、防災情報を発信する役割としても期待されています。

また、学校教育の現場では、避難訓練にLINEを使われることもあるようです。LINEでいくつかのグループに分かれ、互いに連絡を取り合い、写真を送って「今こんな状況です」と報告し合いながら避難訓練する、そんな実施例がブログなどで報告されている事例を見たこともあります。

―—大半がポジティブな使われ方をされている一方で、メッセージを読んだのに返事をしない、いわゆる「既読スルー」がいじめのきっかけになったり、知らない人と出会って事件に巻き込まれたりするなど、ネガティブな使われ方も問題となっています。この状況について、率直にどうお考えですか?

■一部でネガティブな形で利用されている状況は「遺憾」

私ともが提供しているLINEは、コミュニケーションにご利用いただくためのツールですので、普通の電話やメールと同じく、どのような目的で、どのように使われるかというのは、基本的には、ユーザーさんのお考えやご判断によるものだと思っています。

ただ一部で、LINEがネガティブな形で利用されているという状況に関しては、遺憾に思います。お使いになる方々に考えていただく部分も大きい問題だとは思いますが、私どもが事業者としてできることは、やっていかなければならないと思っています。既に取り組みを開始していますが、マナーやエチケットを含めた全体的なネットリテラシーの啓発や普及についても更に取り組んでいきたいと考えています。

——お話が上がった、ネットリテラシーの啓発について伺います。LINEの活動として、どのような取り組みをされているのでしょうか? 要望に応じて、学校などで講演されているのでしょうか?

■2013年は、学校や官公庁などで100回超の講演を実施

学校教育の現場に足を運び、生徒さんや教職員さん、保護者の方が集まったところでお話させていただいています。それ以外にも、官公庁の方や、消費者センターの相談員の方など、いろんな方にLINEのサービスの説明や、ネットリテラシーに関するお話をさせていただいています。

啓発活動は、2012年の夏以降に始まった取り組みです。当初は、官公庁などでLINEのサービスについてご説明する機会が多かったですが、今年に入ってからは、学校の教育現場など、実際にLINEを使っている方々に向けてお話する機会が増えました。今年は1〜10月までの間に、119カ所で講演しています。

官公庁や、先生、保護者など、大人の方にお話する場合は、そもそもLINEがどのようなサービスかわかっていない場合もあるので、LINEというサービスで何ができて何ができないのか、というのをゼロからご説明しています。一方、中学や高校などお話する場合は、すでに生徒のみなさんがLINEのサービスを使いこなしているので、具体的な使用例や機能の説明をしたりすることが多いですね。

——子供たちに向けて、いじめや出会い系などの問題を防ぐ啓発活動として、具体的にどのようなお話をされていますか? 

■LINEの安全な使い方や、基本的なネットリテラシーの啓発

学校に伺うときは、LINEの話に限らず、ネットリテラシー全般についてお話しています。「知らない人からの連絡は怪しいと思いましょう」「人が傷つくことは言わない」「誹謗中傷はやめましょう」といった、インターネットサービスを使う上で大切な基本マナーの啓発を行っています。

加えて、LINE安心安全ガイドでも紹介していますが、例えば「知らない人からのメッセージ届いたらどうするか」といったケースの対処法や、18歳未満のID検索の利用制限についてお話をしています。

LINEなどのSNSは便利で楽しいものですが、気をつけたほうがいい点もあることお伝えし、知らない人のメッセージを「ブロック」する、スパムメッセージの「通報」するなどといった、 LINEの機能上で対応できる対処法をご説明していますね。

——以前掲載した記事で、「LINEのことがよくわからないから、怖い」といった印象を抱いている親御さんがいることに触れ、「まずは親もLINEを使ってみることが、子供の正しい使用につながる」と提案しました。このように、現状「子供はLINEを使っているが、親世代はLINEを使っていない」という傾向は見られるのでしょうか?

■年齢を問わず、スマホユーザーの大半はLINEを利用

LINEは、親世代の方にもたくさんご利用いただいていますよ。スマートフォンをお持ちの方は、LINEをご利用になられていることが多いです。

先月には、シニア向けの 「らくらくフォン」にもLINEが対応しました。お孫さんとメッセージのやりとりを楽しんでいる年配の方もいらっしゃるようです。このように、広い世代にご利用いただいていますが、確かに毎日アクティブにコミュニケーションを取っているのは若い世代の方が多いかもしれませんね。

——今後、子供の安全なSNS利用に向けて、LINEはどのような取り組みをしていく予定でしょうか?

■専門チームで啓発活動に取り組む

最初に申し上げた通り、お客様にとって利用価値の高いサービスを提供するのが第一です。LINEのネガティブな使われ方ができるだけないように努めることも事業者の役割だと思っています。

その意味で、LINEに限らず、マナーやエチケットなどのネットリテラシーも、お客様に浸透するようにさらに注力して活動していきたいと思っています。12月には、啓発活動を専門に行う部署を立ち上げ、専門のスタッフで講演(※)などを通じてネットリテラシーの普及に取り組んでいく予定です。

また、青少年を守るための「18歳未満のID検索の利用制限」についても、主要キャリアのAndroid端末ユーザーを対象に実装することができました。同じように、iPhone端末でも実施できるようにしていきたいと考えています。

また、引き続きアプリストアやレビューサイトでLINE IDが書き込まれていないかのチェックやLINE IDの交換をうながすような非公式外部サイトを発見した場合はサービスの停止・サイトの閉鎖を依頼するなどのモニタリングを実施していきます。

※講演などについては、LINEのウェブページからお問い合わせください。

※子供の安全なSNS利用に向けたLINEの取り組みについて、どう思いますか? 子供のネットリテラシー普及について、親が心がけることは何でしょうか? ご意見をお聞かせください。

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