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アメリカ版「年越し派遣村」か? 年末年始の失業給付を延長へ

2013年11月16日 22時15分 JST | 更新 2013年11月16日 22時20分 JST


アメリカのオバマ政権は11月15日、失業者への強力な支援を行うため、現在有効期間が切れた長期間の失業保険を延長することを表明した。ハフィントンポストUS版が伝えた。

大統領経済諮問委員会のトップアドバイザーであるジーン・スパーリング氏はハフィントンポストへの声明の中で、100万人以上いる失業者のために議会が緊急に失業保険を延長するのは「間違いない」としている。これによって、クリスマスから新年の間に失業手当が失効していることで影響が及ぶ失業者の救済につながるとしている。

「失業率が高い現状では我々は常にそうすべきだし、そうしないのはほとんど意味がない。大恐慌以来最悪の景気停滞に直面している今だからこそ、そうすべきなのだ」とスパーリング氏は述べた。「経済への大きな刺激になるし、貧困を減らし、何の非もないのに仕事を失っている労働者たちが立ち直るきっかけにもなる」

スパーリング氏のこの発言は、14日に行われた雑誌「アトランティック」主催の「ワシントン・アイデア・フォーラム」で彼が述べたコメントと同様のものだ。彼は議会に対してこの問題について速やかな行動を求めている。法制化するまでは、年内に議会で審議できる日程がほとんどないからだ。

現在、予算審議は2014年1月中旬に期限が切れる連邦政府の支出を維持するための協議が進んでいる。予算委員会のメンバーである民主党のクリス・ヴァン・ホーレン下院議員はワシントン・ポストのインタビューで、失業給付の延長は民主党からの要求の柱になるだろうと述べた。しかし新たな政府支出の合意が成立する前に失業手当は期限切れになってしまうだろうという見通しを示した上で、議会はこの問題を単独議案として取り扱うことが迫られていると述べた。

アメリカの失業給付は州ごとに行われている。給付期間は州ごとに異なるが、最長で26週間(182日)まで受給できる州が多い。日本は離職時の年齢と被保険者であった期間(勤務年数)によって異なるが、45歳以下で区切った場合、1年以上5年未満の勤務で最大90日、5年以上10年未満で最大180日となっている。給付水準は、アメリカはおおむね離職前の50%、日本では50〜80%で、低賃金ほど率が高くなる。

しかしアメリカの場合、日本と違って自発的離職者(自己都合)には失業手当が支払われない。今回のオバマ政権による措置も、すべての失業者を救済するというわけではない。

今回オバマ政権が打ち出した失業者対策は、政府機関閉鎖やオバマケア(医療保険制度改革法)運用の失敗などで支持率が39%まで落ち込む中で、支持回復を図るための方策とも考えられる。

アメリカの10月の雇用統計によると、農業部門を除く就業者数は20万4000人の増加で、市場が予測していた12万5000人を大幅に上回ったものの、失業率は7.3%で、前の月に比べて0.1ポイント悪化している。

背景も施策内容も異なるが、日本で2008年末から2009年初まで年末年始の保障を受けられない失業者を対象に労働組合や支援団体などが設けた「年越し派遣村」を彷彿とさせるアメリカ政府の失業者救済対策が、支持率低迷にあえぐオバマ政権浮上のきっかけとなるかが注目される。

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