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中国共産党が国民からの不満を受け付ける「ネット掲示板」を開設 すでに5万件の書き込み

2013年11月22日 15時29分 JST
cpc.people.com.cn

kyokasho

中国共産党が国民からの不満や要望を受け付けるサイトを構築。明るい文化大革命?

中国共産党は、国民の党や政府に対する不満の高まりを背景に、国民からの声を集めるネットの掲示板を開設した。政府や党の259の部署が参加しており、すでに5万件以上の意見が寄せられたという。

掲示板は、党や政府の政策、仕事、学校、生活、各種制度など10種類の分野ごと分かれており、原則として誰でも意見を書き込むことができるようになっている。また意見の送り先も、党、政府、省、国営企業、学校など、具体的な組織を選択することが可能だ。

掲示板に書き込まれた意見は、皆が閲覧することができ、意見を受けた機関はこれに対する回答なども行っている。

寄せられた意見は多岐にわたっており、事業の許認可や地方のネット環境整備に関する要望、最近の社会風潮に関する批判などが掲載されている。中には賄賂を要求する医者を罰して欲しいというものまであった。

中国ではネットは徹底した監視下にあり、誰でも自由に書き込むことができ、すべて閲覧できるとうのはおそらくタテマエであると考えられる。ただ、このようなオープンな形で国民から意見を集約の仕組みはこれまでなかったことから、国民の不満に対して党中央が神経質になっていることをうかがわせる。

中国では、党の今後の方針を決定する第18期中央委員会第3回全体会議(3中全会)を11月12日に開催したばかりである。会議では、市場メカニズムを重視した 改革を進める一方、国有企業を中心とする体制維持や統制の強化などが決定された。

中国では国民の間に、党幹部など特権階級に対する不満が高まってきているが、党幹部や国有企業の特権を廃止してしまうと、党による独裁が維持できなくなるという矛盾を抱えている。このため「上からの改革」という形で、腐敗した公務員や党職員を政府や共産党自らが摘発し、民衆のガス抜きを行うという解決策が取られている。

中国共産党の最高指導部入りが確実視されながら権力闘争で失脚し、収賄や横領の罪に問われた薄熙来被告や、鉄道省のドンと呼ばれ同じく収賄罪などに問われていた元鉄道相の劉志軍被告などはまさにその典型といえる。

中国ではメディアはすべて党の支配下にあり自由な報道は許されていない。だが一定の割合で党幹部や国有企業幹部のスキャンダル報道が行われる。これは党内部での権力闘争の結果として、負けた側が民衆の不満解消のためにスケープゴートに利用されるという構図である。

今回新設された掲示板も一部ではそのような役割が期待されている可能性がある。つまり汚職や不正の告発サイトとしての位置付けである。

かつて毛沢東氏は、民衆の不満を党幹部の不正問題にすり替え、群衆を暴力的なデモ隊に仕立て上げ、自らの政敵を大量に死に追いやった。これがいわゆる文化大革命である。毛沢東氏を信じ、凄惨な暴力に邁進した若者は、文化大革命が終わると、今度は一転して反共産主義的であるとして大弾圧された。いつの世も煽動される大衆は使い捨てであり、その末路は悲惨である。

現代の中国は圧倒的に豊かになっており、文化大革命当時のような凄惨な光景を目にすることはないだろう。だが共産党による独裁という強権政治を維持するために、権力闘争に負けた側をスケープゴートとして民衆の不満のハケ口にするという手法は、現在もまったく変わっていない。壁新聞などの批判がネットの掲示板に取って代わっただけである。「上からの改革」が辿る結末は常に同じである可能性が高いのだ。

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