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2013年11月22日 23時35分 JST | 更新 2013年11月22日 23時46分 JST

東京大学本郷キャンパスで遺跡見学会 「風立ちぬ」に登場の帝大図書館跡や赤門で知られる溶姫の御殿跡も

猪谷千香

関東大震災で焼失するシーンが宮崎駿監督の映画「風立ちぬ」で描かれた東京帝国大学付属図書館。その図書館のレンガ造りの基礎などが、東京大学本郷キャンパス(東京都文京区)の構内遺跡で発掘されている。構内遺跡からは、江戸時代の加賀藩上屋敷跡も確認。赤門で知られる溶姫の御殿跡なども見つかり、大名屋敷の暮らしを彷彿とさせる女性のかんざしや伊万里焼、儀式に使用された素焼きの皿などが出土した。11月22日、23日にかけて遺跡見学会が開催され、一般公開されている。

構内遺跡は9月から、東京大学の新図書館計画で地下40メートルにおよぶ書庫が建設されるのにともない、発掘調査が進められている。約1300平方メートルの調査地点は、帝大図書館や加賀藩上屋敷があった場所で、さまざまな時代の遺構や遺物が発掘されている。そのひとつ、映画「風立ちぬ」でも描かれた帝大図書館は、関東大震災で70万冊の蔵書が灰塵に帰し、検出されたレンガ造りの遺構では焼土や灰も確認され、火災の被害を生々しく伝えていた。

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また、文政10(1827)年に加賀藩に嫁いだ徳川家斉の21女、溶姫に関係する遺構や遺物も発掘されている。溶姫の輿入れの際には赤門が建造され、現在も東大のシンボルとして建っているが、今回は溶姫が暮らした御殿「御守殿」の一角が確認された。溶姫に仕えた女中たちが暮らしていた長局(ながつぼね)の便所跡が発見され、かんざしや銅製の鑑が出土。これらは女性たちが、便所で落としてしまったものと思われ、発掘担当者は「大名の藩邸は地元から単身赴任している武士が多く、女性が少ないメンズワールドだったが、今回は数少ない女性の遺物が出土している」と説明している。

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この他、江戸時代前期に加賀藩の家臣たちが生活していた長屋跡からは、地下室やゴミ穴が見つかり、武家儀礼に使えわれていた素焼きの土器や食べたものなどが出土。江戸時代の大名屋敷の暮らしぶりを伝えている。23日の遺跡見学会は、10時〜12時と13時〜14時半の2回で、参加無料、雨天中止。スニーカーなど歩きやすい靴で参加してほしいとのことだ。

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