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甘利経済再生相、復興特別法人税の前倒し廃止環境整う 経団連や連合は賃上げに前向き【争点:アベノミクス】

2013年11月23日 16時31分 JST | 更新 2013年11月23日 16時44分 JST
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賃金上昇に道筋、復興特別法人税の前倒し廃止環境整う=経済再生相

甘利明経済再生相は22日、政労使会議など一連の会議後の記者会見で、復興特別法人税の前倒し廃止に向け賃金上昇への道筋が明らかになってきたと述べ、前倒し廃止の環境が整ったとの認識を示した。

政労使会議では、労使双方から賃上げに取り組む姿勢が示された。終了後の会見で甘利担当相は「期待した経済の好循環への道のりが確かなものになりつつある」とし、「(賃上げの動きが)相当力強く動き出しており、(復興特別法人税の前倒し廃止の)環境は整ってきた」と評価した。

消費増税に伴う経済対策の一環として、復興特別法人税の1年前倒し廃止をめぐっては、企業優遇だとして慎重論を展開した公明党に配慮し、賃上げの見通しの担保が前提条件となっていた。大企業を中心として賃上げの動きがより確実になったとして、前倒し廃止の環境が整ったと判断したもよう。

<外需の機械受注伸びており、輸出の復元に期待>

11月の月例経済報告で政府は景気の基調判断を「緩やかに回復しつつある」とし、3カ月連続で据え置いた。一方で輸出は3カ月連続で下方修正。低迷の理由として、甘利担当相は、輸出先経済に力強さが欠けることや、円安効果の発現がずれ込んでいることなどを挙げた。

そのうえで甘利担当相は「輸出の先行指数とみられる外需の機械受注がかなり伸びている」と説明。「これから輸出は伸びると期待している」と見通した。[東京 22日 ロイター]

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経団連や連合、賃上げに前向き姿勢=政府の政労使会議

政府は22日夜、第4回目の政労使会議を開き、経済の好循環実現に向けた対応について協議、経団連や連合から賃上げに前向きな姿勢が示されたことを受け、甘利明経済再生担当相は復興特別法人税の前倒し廃止に向けた環境は整ったとの認識を示した。

経団連はこの日の会議で「デフレから脱却し、経済の好循環を実現することが必要」との認識が官民で共有されたと指摘。「経済政策パッケージ」に込められた政府のメッセージをしっかりと受け止め、経営者として呼応すべく取り組んでいきたい、との姿勢を示した。さらに、「復興特別法人税の前倒しが実現した場合、企業収益が従業員に適切に配分されていくことが必要であり、賃金引き上げを通じて一刻も早い経済の好循環が実現するよう貢献していく」と表明した。

連合も「14年度の賃金決定にあたっては、月例賃金引き上げと格差是正・底上げにこだわった要求・交渉を行い、経済の成長と所得の回復を同時に進めるべく全力で取り組む」とした。

甘利経済再生相は会合後の会見で「賃金上昇への道筋が明らかになってきた」と評価、「期待した好循環への道のりが確かなものになりつつある」との認識を示した。さらに復興特別法人税の前倒し廃止に関して「前倒し廃止で原資ができる。それが(賃金などに)金が回らない懸念があり、それを払しょくできるかどうか政労使会議で検証してほしいということだった。検証した結果、相当力強い動きで動き出した。その点での環境は整った」と明言した。

この日の政労使会議には、内閣府の有識者会議である「経済の好循環実現検討専門チーム」(座長:吉川洋東大大学院教授)も中間報告を提示。賃金上昇が好循環をもたらすために必要との認識を示したうえで、生産性向上や非正規雇用労働者の処遇改善を求めた。

政府は12月5日にも経済対策パッケージを取りまとめる。甘利経済再生相は復興特別法人税廃止について、この日の政労使会議での意見や議論を踏まえ、「引き続き政府・与党で実現に向けて検討していきたい」と語った。[東京 22日 ロイター]

(石田仁志)

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