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アイソン彗星、接近まで残りわずか "世紀の大彗星" はどんな姿で現れるのか?

2013年11月27日 18時13分 JST | 更新 2013年11月27日 19時17分 JST
NASA/Hubble

世界中の天文学者たちが、その姿を一目見ようと今か今かと心待ちにしている星がある。その星こそ、”世紀の大彗星”の異名をもつ「アイソン彗星」だ。

アイソン彗星は、11月29日の早朝に太陽に最接近し、その後太陽の熱で星ごと崩壊することがなければ、12月4日以降にまばゆい尾を引く姿を肉眼で見ることができるかもしれない。

アイソン彗星画像集

NASAによると、アイソン彗星は2012年9月に「国際科学光学ネットワーク(ISON)」に所属する2人の科学者によって、地球からおよそ9億4千万キロメートル離れた宇宙に発見された。そのときからすでに、時速7万7千キロメートルという恐るべきスピードで太陽に向かっており、ついに11月29日に太陽に最も接近する「近日点」を通過するという。

このように太陽をかすめるように通過する彗星は、一般的に「サングレイザー」と呼ばれており、太陽に接近する際に放出されるチリとガスから、長くまばゆい尾が観測できることが特徴である。その中でもアイソン彗星は、太陽の中心から約190万キロメートルと極端に近い地点を通過すると予測されており、太陽の光や熱の影響を強く受けるだろうと言われている。

さらに、アイソン彗星は本体の核が4.8キロメートルと彗星としては大きいため、太陽に接近した後には巨大な尾をなびかせる「大彗星」となる条件が揃っていると言われている。

核の大きな彗星が太陽に接近すると、暖められてちりなどの成分が放出されて尾を形成し、大彗星になる可能性が高い。国立天文台の渡部潤一副台長は「アイソン彗星の核はやや大型で、太陽に極めて近づく。大彗星の条件を備えている」と話す。

朝日新聞デジタル「輝き一気に、アイソン彗星 29日、太陽に最接近」より。2013年11月20日05:00)

国際宇宙ステーション(ISS)に滞在中の若田光一宇宙飛行士は、世界初となる宇宙からの4K動画撮影に挑み、アイソン彗星の撮影に成功した。「大気の揺らぎ」のない宇宙という「彗星観測の特等席」から、アイソン彗星が宇宙を横切る様子を目撃した若田さんは以下のようにコメントした。

ISSから宇宙を見ると、地球から見るのとは違い、星々が3次元的に奥行きを持って広がって見え、宇宙の広大さを実感します。こうした息を飲むほど素晴らしい光景を、ぜひ皆さんに届けたいと思います。

(JAXA「世界初、アイソン彗星を宇宙から4K堂が撮影!〜超高感度4Kカメラで/12月4日(水)には『NHKスペシャル』で生中継〜」より)

それでは、わたしたちがこの「世紀の大彗星」を目撃するためにはどうしたらいいのだろうか?

nao

日にちごとのアイソン彗星観測位置

国立天文台によると、近日点通過の11月29日前後の4日間は、アイソン彗星と太陽との距離が非常に近いため、観測することが難しくなる。さらに、双眼鏡や望遠鏡を使って観察する場合は、太陽を見てしまうことがないように気をつける必要がある。

近日点通過の11月29日の前後4日(11月25日頃から12月2日頃まで)は、アイソン彗星と太陽との見かけの距離は10度を切り、彗星は太陽にきわめて近くなります。双眼鏡や望遠鏡を使って観察する際は誤って太陽を見てしまうことがないように、十分に気をつけてください。

(国立天文台「アイソン彗星」より)

その後、彗星が太陽から遠ざかり、地球から見た高度も上昇し始める12月4日頃からは、より観察しやすくなる予定だ。

その後、アイソン彗星は太陽から去って行くに従い、地上から見た高度も日に日に高くなり、尾の長さも近日点通過前よりも伸びて、見やすくなる。12月下旬には、日の出前の東の空だけでなく、日の入り後の西の空でも観察できるようになる。27日ごろには地球に最も近づき、約6400万キロメートル離れた所を通過するが、太陽最接近のころほど明るくはないようだ。

(THE PAGE「『アイソン彗星』どんな姿で現れる? 太陽に29日最接近」より。2013年11月26日12:41)

しかし、一点不安が残る。彗星が太陽に接近する際、その猛烈な熱に焼かれて蒸発したり、本体の核が崩壊してしまう可能性があるのだ。

アイソン彗星の場合は、25日の時点ですでに崩壊してしまったのではないかと疑われていたが、その後再び姿が確認されている。アイソン彗星の観測を待ちわびる人々からは、このまま無事近日点も通過してほしいという期待が高まっている。

若田光一さん写真集

バイコヌール宇宙基地【2013年11月5日】

「はやぶさ2」画像集

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