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国際学力テスト(PISA)、日本「学力向上」順位上げる

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写真はイメージ(全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)に臨む小学生=2013年04月24日午前、東京都内の小学校) | 時事通信社
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経済協力開発機構(OECD)は12月3日、世界65カ国・地域の15歳約51万人を対象に2012年に実施した国際学習到達度調査(PISA)の結果を公表した。日本の平均点は「読解力」「数学的リテラシー」「科学的リテラシー」の全3分野で2000年の調査開始以降で最も高く、順位も前回を上回った。2003年の調査で順位が急落した「PISAショック」をきっかけに、「脱ゆとり教育」へ転換したことが功を奏したとみられる。

PISAは2000年から3年ごとに行われ、今回が5回目。「読解力」「数学的リテラシー」「科学的リテラシー」の3分野で、15歳の生徒がそれまでに身につけた知識や技能を実生活で生かす能力を測る。OECD加盟国の受験者平均が500点になるように換算される。

日本では191校約6400人が受験。その結果、平均点は「読解力」が538点(前回520点)で4位(前回8位)。「数学的リテラシー」は539点(529点)で7位(9位)、「科学的リテラシー」は547点(539点)で4位(5位)といずれも上昇した。習熟度レベルをみると、上位層の割合が減少し、上位層の割合が増加している。

■上海、3分野でトップ独占

国際的な順位は、上海が前回に引き続き、3分野すべてでトップ。上海、香港、シンガポールの3カ国・地域がトップ3を独占している。一方、上位の常連だったフィンランドは順位を落とし、低調傾向にある。

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OECDのアンドレア・シュライヒャー教育局次長は、上海の学校へ訪問したときの印象を「教室の雰囲気がよい」と振り返り、好成績の要因を「教員は指導に7割、自身の勉強や訓練に3割の時間を費やしている。学校内外での教員同士の連携が強く、教師が子供に対して能動的に関わろうとするアプローチに原因があるのではないか」と分析。「問題のある学級、学校により優秀な教員や校長を配置している。求められている人材を適格に配置する能力が高い」と指摘した。

■日本の順位、なぜ上がったのか

2009年より順位も得点も大幅にアップし、学力回復傾向が鮮明になった2012年の調査。「脱ゆとり」の施策や学習指導要領の改定などの効果だと指摘する声が上がる。

ベネッセ教育総合研究所の新井健一理事長は「PISAショック以降、ゆとりか詰め込みかの二者択一ではなく、学力向上に向けたバランスのいい施策が行われてきた成果が出たのではないか」と話している。

(MSN産経ニュース「脱ゆとり成果『レベル維持し教育再生』」2013/12/3 22:43)

文部科学省は、学習指導要領の改訂や少人数指導の普及など「脱ゆとり」の施策が好成績の要因とみる。「いわゆる『ゆとり教育』から脱却し、確かな学力を育成する取り組みが功を奏した」。下村博文文部科学相は3日、そう喜んだ。

(朝日新聞デジタル「国際学力調査、日本は過去最高点『脱ゆとりが奏功』」2013/12/4 10:08)

2003年の調査が公表された2004年、前回調査でトップだった「数学的応用力」が6位へ、「読解力」が8位から14位へ急落。この「PISAショック」が脱ゆとりの推進力となった。2007年には応用力も問う全国学力テストが導入。2009年からは、ゆとり脱却を掲げ授業時数を増やすなどした新学習指導要領が一部実施された。2012年の調査に参加したのは、こうした脱ゆとり政策の世代だ。

ただ、課題も多い。上海などのアジア上位国に比べると、応用力があるとされる習熟度が高い上位層が少なく、下位層が多い。最も高い習熟度レベルの割合は日本は8%。上海31%、シンガポール19%に劣る。レベル5以上の割合でも上海55%、シンガポール40%に対し、日本は24%だった。一方、下位の習熟度(レベル2以下)の生徒は上海は4%、シンガポール8%。一方、日本11%だった。

今回重点的に調査された「数学的リテラシー」では、日本の生徒は、数学的概念を利用したり、数学的結果を応用したりする力が弱いことが指摘された。また、内容別な視点からは、「空間と形」や「変化と関係」は得意とするが、「量」や「不確実性とデータ」で数学的リテラシー全体の平均点よりも低く不得意なことがわかった。

数学的リテラシーでは、15歳の生徒がこれまでに学んだ知識や技能を実生活に応用する能力。出題問題を紹介する。

【回転ドア】

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回転ドアは、円形状の空間の中を3枚の扉が回転する仕組みになっています。この空間の内径は2メートル(200センチメートル)です。3枚の扉は、ドアの内部を3等分しています。下の3つの図は、扉が異なる位置にある様子を上から見たものです。

【回転ドアに関する問2】
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回転ドアには、同じ大きさの開口部分(図の点線の円弧の部分)が2か所あります。この開口部分が広すぎると、扉で密閉できず、隙間が生まれ、入口と出口の間を空気が自由に流れてしまい、室温調節が上手くいかなくなります。この様子は右の図に示されています。入口と出口の間に空気が自由に流れるのを防ぐためには、開口部分の円弧の長さは、最大何cmにすればよいですか。(最も高い難易度)

【回転ドアに関する問3】

回転ドアは、1分間でちょうど4回転します。また、3枚の扉で分けられたそれぞれの空間には、最大で2人ずつ入ることができます。30分間で、この回転ドアを通って建物に入ることができるのは最大何人ですか。(上から3番目の難易度)
A 60人

B 180人

C 240人

D 720人

■数学に苦手意識? 今後はグローバル人材育成も鍵

日本の生徒の学習意欲の低さも課題だ。OECDは調査の一環として学習意欲や環境などに関するアンケートを実施。数学に関して聞いたところ、「数学を学ぶことに興味がある」と答えた日本の生徒はわずか38%。OECD平均の53%を下回り、65カ国・地域では下から4番目の低さだった。「将来の仕事の可能性が広がるので学びがいがある」と回答した日本の生徒は52%で、シンガポール88.2%や上海72.7と開きがある。シュライヒャー教育局次長は、学ぶ意欲が習熟度の高さにも関連があることを指摘し、「学ぶ目的を教える教員の能力が原因かもしれない。その後の人生にどのように関連があるかを教え、動機付けを高めることが必要だ」と述べている。

日本の学力回復傾向が鮮明となった今回の調査だが、今後は学校教育現場でも、グローバル人材育成がより求められそうだ。シュライヒャー教育局次長によると、次々回の2018年は「グローバル・コンピテンシー」をみる調査の導入を検討しているという。これは、若者がグローバル化した世界で生き抜く能力をみるものだ。「グローバルな社会では、価値観やアイディア、信念、信仰などが多様。今後ますます、そういった多様性を受け入れ入れる力が必要だ。自分と違う考え方や存在を尊重し、いかに意見をまとめ、連携していけるかどうか。その力が問われる」。

※2012年の国際学習到達度調査(PISA)の結果について、どう思われますか。日本の教育現場で必要な施策や授業はどのようなものだと思いますか。みなさまのご意見お聞かせください。

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