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防空識別圏、韓国も拡大へ バイデン副大統領が容認か【争点:安全保障】

2013年12月06日 19時43分 JST
Chung Sung-Jun via Getty Images
SEOUL, SOUTH KOREA - DECEMBER 06: U.S. Vice President Joe Biden (L) shakes hands with South Korean President Park Geun-Hye (R) during their meeting at presidentisl house on December 6, 2013 in Seoul, South Korea. Vice President Biden has been visiting Japan, China and South Korea this week. Some of the issues to discuss are the Trans-Pacific Partnership, diplomacy on the East China Sea and the South China Sea, economic relationship with China, implementation of the U.S.-Korea Free Trade Agreement, and alliance issues in both Japan and Korea. (Photo by Chung Sung-Jun/Getty Images)

中国の防空識別圏設定に続き、韓国も識別圏の範囲を拡大するようだ。アメリカは日中韓の関係改善を求めるが、日本はこれらの国々に対し、どのように対処するつもりなのか--。

アメリカのバイデン副大統領は12月6日、訪問中の韓国で朴槿恵大統領と会談し、韓国の防空識別圏拡大を認める考えを示した。時事ドットコムが報じている。

バイデン副大統領は、韓国の防空識別圏拡大の動きについて、「朴大統領の説明と韓国の努力を評価する」と述べ、反対しなかった。米韓両国はこの問題で、緊密に協議を続けることで一致したという。



(時事ドットコム「防空圏拡大に反対せず=米副大統領、韓国大統領と会談」より 2013/12/06 16:44)

中国が11月に設定した、戦闘機による緊急発進(スクランブル)の基準となる防空識別圏について、自国の領土も含まれていたことで日本と韓国が反発。日本は中国に対して抗議し、韓国は既存の防空識別圏を拡大するとした。

東アジアの関係をこれ以上悪化させたくないと考えたアメリカは、12月初旬からバイデン大統領が日本、中国、韓国を訪問。各国首脳と対談して調整を行ってきた。

6日に記者会見した韓国外交部の尹炳世(ユン・ビョンセ)長官は、バイデン副大統領と朴大統領の対談の内容を次のように話している。

(米韓)双方は今後、防空圏問題について緊密に協力していくことにした。尹氏はバイデン副大統領の発言について、「現時点で韓国側の詳細な説明や努力について評価したことに含意があることに注目してほしい」と説明した。朴大統領は国益を考慮し、中国の防空圏に含まれている韓国南西部の離於島と馬羅島、南東部の鴻島の上空まで韓国の防空圏を拡大することが不可避であることを説明し、バイデン副大統領は「緊密な協議」を前提に一定の理解を表明したとみられる。



(聯合ニュース「朴大統領 米副大統領に防空圏拡大方針を説明」より 2013/12/06 17:19)

韓国が防空識別圏を拡大すると、日中の防空識別圏と一部で重複するのではないかとの懸念がでていたが、韓国政府はまだ防空識別圏の範囲を公開していない。範囲の公開は8日になるのではないかとの報道もある。

なお、バイデン副大統領は12月4日に中国の習近平国家主席と対談した際、新しく設定した防空識別圏を運用しないよう求めたと報じられている。

バイデン米副大統領は4日、中国の習近平(シーチンピン)国家主席に対し、中国が東シナ海に設定した防空識別圏の運用中止を要求した。他の空域に新たに防空圏を設定しないことも求めた。カーニー米大統領報道官が5日の会見で明らかにした。
 
(朝日新聞デジタル「中国の防空識別圏、バイデン米副大統領が運用中止を要求」より 2013/12/06 14:57)

安倍首相は11月25日の参院決算委員会において、中国の防空識別圏設定に対して「撤回を求める」と発言していたが、バイデン副大統領は撤回までは求めなかったようだ。この背景についてウォール・ストリート・ジャーナルは次のように報じている。

バイデン副大統領の国家安全保障担当副補佐官を務めた経験を持つジュリアン・スミス氏が政権当局者の話として語ったところによると、バイデン氏が会談で重視したのは不測の事態を避けるため、中国と周辺国の間で「交戦規定」を明確にすることだった。

 

スミス氏は、防空識別圏が「消えてなくなることはないと思う」と言う。いったん防空圏を設定した以上、中国がこれを「撤回することは本当に難しいだろう」と述べた。



(ウォール・ストリート・ジャーナル「防空識別圏問題で、米中の対立に軟化の兆し - WSJ.com」より 2013/12/06 18:06)

アメリカは中国に対して、防空識別圏の設定までは許したが、事実上使わないよう話した。バイデン副大統領は韓国に対しても同様の内容を話したのか。それとも韓国が拡大する防空識別圏に対し、日本の防空識別圏と重ならない範囲に設定するよう話したのか。

バイデン大統領は6日、ソウルの延世(ヨンセ)大学で学生らを前に約40分にわたって演説。慰安婦問題などをめぐり緊張関係にある日韓関係について、改善の必要性を訴えている。

韓国を訪問中のバイデン米副大統領は6日、ソウル市内の延世大で講演し、「韓国と日本が関係を改善し協力を拡大すれば、さらに安定的な地域になると思う」と述べ、両国の関係改善を呼び掛けた。



(聯合ニュース「米副大統領 韓日関係の改善促す=韓国の大学で講演」より 2013/12/06 18:00)

いっぽう日本では6日、衆議院において、中国に防空識別圏の即時撤回を求める決議を全会一致で採択している。

撤回決議は、中国の行動について「東シナ海における緊張を一層高め、ひいてはアジア太平洋地域の平和と安定を脅かしかねない危険な行為」と批判。日本以外の国からも懸念の声が上がっていることに言及し、中国に「国際社会の一員として責任ある理性的な行動」を取るよう求めた。

 

日本政府に対しては、国際社会と連携し、「冷静かつ毅然(きぜん)たる姿勢で対応することで、わが国周辺の平和と安定を維持」するよう要請した。

 
(時事ドットコム「防空圏の即時撤回要求=中国非難決議を採択-衆院」より 2013/12/06 13:34)

【※】緊張が続く日中韓の防空識別圏問題について、あなたはどのように考えますか。ご意見をお寄せ下さい。

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