ニュース

韓国が防空識別圏を拡大 アメリカが評価した理由とは【争点:安全保障】

2013年12月08日 19時59分 JST | 更新 2013年12月08日 19時59分 JST

韓国が自国の防空識別圏の拡大を発表した。日本や中国が設定している防空識別圏と一部重複するため、今後の対立も予想される。しかし、韓国の防空識別圏拡大をアメリカは評価。その理由はどのようなものだろうか。

韓国国防省は12月8日、中国と管轄権を争う暗礁・ 離於島 ( イオド ) (中国名・蘇岩礁)を含む範囲まで、防空識別圏を拡大すると発表した。この範囲について韓国は、自国が民間機の航空管制を担当している空域に合わせて決めたとしている。テレ朝newsなどが報じた。

韓国国防省が発表した新たな防空識別圏には、中国と管轄権を争っている岩礁の上空などが含まれています。この空域は日本の識別圏でもあり、日中韓3カ国の識別圏が重複することになります。新しい識別圏の運用は、15日から開始するということです。日本政府関係者によりますと、韓国側からは事前に外交ルートを通じて新たな設定範囲や運用方法などについて説明があったということです。



(テレ朝news「日中と一部重なる形で防空圏拡大を発表 韓国」より 2013/12/08 15:55)

中国が11月に設定した防空識別圏について、自国の領土も含まれていたことで日本と韓国が反発。韓国は既存の防空識別圏を拡大するとしていた。

焦点となったのは、韓国が拡大する防空識別圏の範囲のほか、韓国の運用方法である。

そもそも防空識別圏とは自国の領空に設定されるものではなく、公空上に設定されるものだ。そのため、防空識別圏を通過する航空機に飛行計画書を提出するよう求めたり、防空識別圏を飛行する航空機が中国側の指示に従わない場合に武力で防衛的緊急措置が取る、といった、中国が一方的に決定した内容が各国を刺激していた。

日中韓の対立を好ましく思わないアメリカは、バイデン副大統領が各国を訪問して首脳らと会談。事態を悪化させないよう、各国に対する調整を進めていた。

まず、日本に対しては「日米同盟は東アジアの安定の礎石」として、中国の防空識別圏に対し、連携して事態の対応にあたると表明。次に、中国に対しては防空識別圏の設置は認めないとしながらも、撤回までは求めず、運用を中止するように求めていた。

また、韓国の防空識別圏拡大についても、バイデン副大統の韓国訪問の歳に議論。バイデン副大統領からの反対はなかったと報じられている。バイデン副大統領の訪韓に同行したアメリカ政府高官は、バイデン副大統領が韓国政府の考えについて理解を示し、次のような確認がなされたと話している。

高官は、米韓両国は防空圏問題で緊密に協調しており、「国際慣習に基づき行動し、いかなる措置も地域の緊張を高めないことが重要との認識で一致している」と述べた。



(時事ドットコム「:韓国防空圏拡大を容認=米副大統領」より 2013/12/07 22:36)

防空識別圏の拡大を発表した韓国国防省の報道官は、民間航空機の運用に制限を加えるなどの事はしないとしている。

国防省報道官は「国際的な航空秩序と規範に合っており、民間航空機の運航に制限を加えない」と説明。「新たな区域内での偶発的な軍事衝突を防止し、航空機の安全確保について関係国と協議していく」と述べた。

 

発表前に日中などに拡大方針を伝えたといい、同省関係者は「日本を含む関係国は理解を示しており、大きな問題にはならないだろう」と語った。

 
(時事ドットコム「韓国、防空圏拡大を発表=日中と重複、対立火種に」より 2013/12/08 16:08)

なお、この発表に対し、アメリカ国務省のサキ報道官は8日に声明を発表。米韓が事前に協議を行ったことや、国際的な慣行に従って運用するなどとした内容を評価するとした。

報道官はこの中で、韓国が国際空域の規範を尊重することは「民間機への混乱や脅威を避けることになる」と指摘。中国が自国の防空識別圏を通過する全ての民間航空機に飛行計画の提出を求めていることなどとの違いを強調した。

 
(時事ドットコム「韓国の防空圏拡大に理解=運用方針を評価-米」より 2013/12/08-16:42)

ただし、具体的な運用に関する発表はなかった。韓国の新しい防空識別圏は15日から実施されるとされ、それまでの間に、日本や中国との間で運用に関する発表を行うとしている。

関連記事

入間航空祭【2013年11月3日】