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【防空識別圏】安倍首相、ASEAN各国に協力を依頼するが......

2013年12月14日 20時28分 JST | 更新 2013年12月14日 20時32分 JST

安倍首相は、中国が11月に防空識別圏を設定したことなどについて、東南アジア諸国連合(ASEAN)の国々に協力を呼びかけたが、結果は曖昧な共同宣言の発表となったようだ。

安倍首相は12月14日、日・ASEAN特別首脳会合の全体会合後の記者会見で、ASEAN各国と共に、安全を確保するための協力を強化していくことで合意したと発表した。

今や世界の成長センターとなったASEANが、更に発展していくためには、力ではなく法が支配する自由で安全な海と空が不可欠だ。

 

これに対し、現在一方的な行為により、東シナ海、そして南シナ海の現状を変えようとする動き、自由な飛行を基礎とする、国際航空秩序に制限を加える動きが見られる。この地域の緊張が高まっていくことは、誰の営利にもならない。

 

今日の会議では、日本とASEANは、航行の自由、上空飛行の自由、民間航空の安全を確保するための協力を強化していくことで合意した。日本とASEANは繁栄のパートナーであるためにも、我々は平和と安定のパートナーとして、地域に一層、貢献をしていく。

 

(ニコニコ生放送「【日本・ASEAN特別首脳会議】安倍晋三 内閣総理大臣 記者会見 生中継」より 2013/12/14)

安倍首相は、これまでの日本とASEAN諸国との結びつきについて、各種の課題は対話を重ねながら、共に解決に向けた道筋を見つけ出してきたと強調。課題があるからこそ、首脳同士が胸襟を開いて話し合うべきだとの考えを示した。

しかし、14日にまとめられた日・ASEAN特別首脳会議の共同声明では、中国に対する具体的な対策が盛り込まれなかった。この点について、テレ朝newsは次のように指摘している。

しかし、共同声明には「東アジア地域の安全保障環境は、ますます厳しくなっている」という日本の主張は盛り込まれず、防空識別圏の設定など中国の行動を直接批判する表現も入っていません。

 

ASEAN10カ国のなかには、南シナ海で中国と領有権問題を抱える国がある一方で、中国と友好関係が深い国もあることから、足並みをそろえるために配慮した形です。共同声明をまとめたものの、中国の脅威に対する具体策は打ち出せず、日本と中国の板挟みになっているASEAN各国の厳しい状況が浮き彫りになった形です。

 

(テレ朝news「日・ASEAN共同声明「航行と飛行の自由の確保を」」より 2013/12/14 17:38)

ASEANに加入する国の一つであるベトナムは、中国の防空識別圏に対するコメントを「心配」から「関心」に変更している。この背景には、今年10月に、中国がベトナムに金融スワップなどの形で、援助を行っていることがある。

李首相とベトナム首脳との会談では、南シナ海問題の解決に向け、海路、陸路、金融という3つの分野で合同作業グループを発足させ、協力関係の具体的な進め方について協議することが確認された。回りくどい言い方になっているが、要するに海洋資源の共同開発、交通インフラの整備、金融スワップ協定の締結という形を通じて、中国がベトナムに経済援助を実施するという内容である。ベトナムのグエン・フー・チョン書記長は会談で「中国の積極的な援助に感謝する」との謝意も表明されている。



(ハフポスト日本版・ニュースの教科書提供記事「中国がベトナムに提示した領有権問題の懐柔策とは?【争点:安全保障】」より 2013/10/17 09:30)

一方、日本は今回、ASEAN諸国に対し5年間で2兆円規模のODAを行うことなどを表明している。

安倍総理大臣は、2015年の経済共同体の発足を目指すASEANを支援するため、5年間で2兆円規模のODA=政府開発援助を行うことや、経済共同体の準備のために設けられた基金に新たに1億ドルを拠出することを表明しました。

(NHKニュース「日本とASEANが共同声明」より 2013/12/14 18:43)

【※】ASEANと日本の経済連携と安全保障について、あなたはどのように考えますか。ご意見をお寄せください。

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